交通による大気汚染と小児アレルギーに関連性 独研究
ドイツの研究者らは、交通の混雑による大気汚染と小児アレルギーを結び付ける有力な証拠が見つかったと13日発表した。
子どもがぜんそくや花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギーを発症するリスクは、交通量が多い道路から50メートルの場所に住んでいる子どものほうが、1000メートル離れている場所に住んでいる子どもよりも約50%高くなるという。
今回発表された研究では、大気汚染への露出とアレルギーに関係する病気との関係を判断するために、ミュンヘンの各地域を対象に3000人の健康な子どもを誕生時から6年間観察した。
出典:ロイター
癒やしのひととき:函館「千心治療院」 /北海道
足裏中心に反射区を刺激--多様な症状の改善期待
函館の市電「宝来町」停留所から徒歩数分の場所にある治療院。「若石鈴足法(じゃくせきりんそくほう)」を、施術の中心としている。
同療法は、「足は人間の体の中心」とする中国伝承の手技療法「足心道(そくしんどう)」を基に考案された。足の裏を中心に、かかとや甲などに六十数カ所あるとされる反射区(体の各器官や臓器へとつながる神経が集中している場所)を、手指などで押したりもみほぐしたりして刺激を与え、血流を促進させ、細胞の活性化や免疫力の向上を図ることで、多様な症状の改善が期待できる。
程度の差はあれ、施術には多くの場合、痛みが伴う他、「体内の毒素や老廃物が尿を経由して排出される」ため、施術後の水分摂取は欠かせないという。
同院の近所で飲食店「印度カレー小いけ」を経営する、小池弘美さん(33)は約2カ月前、仕事中にぎっくり腰に見舞われて来院した。「施術は尋常じゃないくらい痛かった。でも腰の痛みはすっかり消え、普通に歩いて帰れた」と、効果の高さに驚いている。
院長の川上千心(本名は清美)さん(36)によると、来院者の中心は腰痛や座骨神経痛などに悩む20~70歳代の女性。中には、糖尿病や心臓病、膠原病(こうげんびょう)などの患者もいて、いずれも症状が改善されているという。
一方、肥満が解消された例も少なくないそうだ。同市内の会社員の女性(22)の場合は、週1回通って、3カ月後には体重が約15キロ減り、患っていたアトピー性皮膚炎の症状もほとんど消えたという。
川上院長は、札幌市内で飲食店を経営していた約7年前にぎっくり腰を患い、治療で訪れた札幌千勝治療院(本院=西区二十四軒3の5電話011・621・0188。分院=西区八軒1条西1電話011・614・2488)で、同療法に出合った。
「施術中は、屋外まで聞こえるほど大声を出すくらい痛くて、もう二度と来るもんかと思っていましたが、腰の痛みは一発で消えました」。同療法にすっかり心酔し、その後同院の藤井千勝院長に弟子入り。5年間修業を積み、出身地の函館で独立開業した。
なお、千勝プラザ(札幌市中央区大通西10の4電話011・233・0218)と網走市の岡崎治教院(出張施術のみ電話090・2819・4190)も同様に、藤井さんの弟子が開いた治療院だ。
出典:毎日新聞
新物質発見、命名「サクラン」 史上最大の分子量 北陸先端大・金子准教授ら
北陸先端科技大学院大マテリアルサイエンス研究科の金子達雄准教授ら研究グループは十三日までに、九州で食用に養殖される藍藻(らん(そう)「スイゼンジノリ」から、史上最大の分子量を持つ新物質の多糖類を発見した。塩の添加で分子が伸長する特性があり、自重の約六千倍の純水、約三千百倍の塩水、約三千倍の疑似体液を吸収できることから化粧品や医療素材などへの活用が期待される。
研究グループは天然物質で過去に報告例のない絶対分子量千六百万、分子鎖の長さ約十ミクロンで史上最大の分子の抽出に成功。高吸水性の新物質をスイゼンジノリの学名から「サクラン」と命名した。
従来から高分子吸水体として使われるヒアルロン酸は、塩の添加で分子が収縮し、保水率が急降下するが、サクランは塩水で分子が伸びるため、ヒアルロン酸の約十倍の吸水力があり、水中でも低下しない驚異的な粘性も併せ持つことが分かった。
この特性から化粧品の高保湿剤、ダイエットやメタボリック症候群対策の機能性食品、傷の被覆や抗アレルギー、アトピー性皮膚炎、抗ウイルスなど医療用の新素材として期待が高まる。
スイゼンジノリは九州の清流や湖に生息する日本固有の藍藻。現在は福岡県や熊本県で食用に年間百―百三十トンが養殖されており、増殖能力も高く、生産量の拡大が見込めるという。
研究成果は七月に東京で開催される「国際バイオEXPO」で発表する。希少金属回収の研究が四月から経済産業省のNEDO産業技術研究助成事業に採択され、技術移転を受けた熊本県内のベンチャー企業が化粧品の原材料として年内の商品化を目指している。金子准教授は「サクランの特性を生かし、さらに用途を広げたい」と話している。
出典:富山新聞
御宿かわせみ(北湯沢温泉)
<湯ったり気分>
伊達市大滝区を南北に貫く長流川沿いに、宿やホテルが点在する北湯沢温泉。明治開湯の歴史をしのばせるのが、大正時代に開業した料亭が前身というこの宿である。
純和風の宿内には、透かし彫りの欄間や立派な床柱など、そこかしこに鉱業で繁栄した往時の名残をとどめる。とはいえ、受付には日帰り入浴用の料金入れとつり銭が無造作に置かれ、その気取りのなさがいい。
そうした雰囲気にも増して湯客たちを魅了するのが、個性的な露天風呂。宿の裏手にある浴場へは、ウナギの寝床のような、細長い通路を通っていく。脱衣場の向こうに、屋根つきの大きな四角い浴槽があり、急な階段をおりた川岸には開放的な円形の浴槽が配されている。
視界いっぱいに、川の流れと新緑が広がる河岸の湯船は野趣満点。自然に包まれながら湯につかっていると、気持ちがどんどんほぐれていく。 この二つの露天浴槽はどちらも男女混浴というから驚く。女性浴場とは通路でつながり、若い女性も遠慮なく入浴するそうで、男性は目のやり場に困るかも。これとは別に女性専用の小さな露天風呂もある。
宿に配湯される市保有の温泉をそのまま浴槽に流し入れるが、「湯温が九〇度近くあり、温度も一定ではないため、調節には気を使います」と代表の藤田正幸さん(54)。
泉質こそ単純温泉だが、透明な湯は湯持ちがよく、肌にもよくなじむ。妻のあけみさんによると「アトピー性皮膚炎に効いた、という方もいるようですよ」とにっこり。
宿泊の場合は、これまで通りの田舎料理を味わえるが、新たに日帰り客向けのランチとして「海老(えび)天丼」と「かわせみ弁当」が登場(各千三百円・入浴料込み、午前十一時半-午後二時)。中でも、地物の山菜を使う天丼は質量とも十分で、湯上がり後におすすめだ。
実は藤田夫妻、この春にオーナーから宿を任されたばかり。「徐々に自分たちのカラーを出していければ」と語る夫妻が、老舗の温泉宿に新風を吹き込んでくれそうだ。
出典:北海道新聞
ハンセン病:基本法成立 草津・楽泉園開放に道 温泉治療施設、群大と協議へ /群馬
全国13カ所の国立ハンセン病療養所を地域に開放する「ハンセン病問題基本法」が11日成立し、草津町の療養所「栗生楽泉園」が描く温泉型治療施設の新設という将来構想は、実現に向け大きく前進した。入園者自治会と町は、基本法の成立を前提に群馬大に施設誘致の要請を重ねており、今後は設置の可否を含めた協議を進める。
楽泉園は医師不足や入所者の高齢化を受け、運営の先細りが懸念されている。このため、同園は02年ごろから、アトピー性皮膚炎などに効能があるとされる草津温泉を活用した治療施設の新設を構想し、地域住民との共生を目標に掲げた。活動は町ぐるみとなり、中沢敬町長は「園とまちの明日を創る会」(会長・中沢町長)を発足させ、厚生労働省に要望書を提出した。
同町で07年5月に開かれた「ハンセン病市民学会」はテーマを将来構想に設定。基本法制定を求めて閉会し、入園者自治会が同年8月から100万人を目標に署名を始めた。署名は全国で83万人に達し、今年4月に国会へ提出。新法成立を後押しした。
また、創る会は群馬大の鈴木守学長に園内での施設設置を要請。同大は1951年から50年間にわたり温泉を用いた「医学部付属病院草津分院」を同町に置いていた経緯もあり、温泉療養のノウハウを持つ同大と連携した治療施設の新設を描いている。
同大秘書課は「できる範囲で協力したい。具体的なことはこれから検討する」としており、近く教授らを現地に派遣し、開院の可否を検討するという。
中沢町長は新法成立に「大変喜ばしいこと。将来構想実現に向けて力を得た思い」とコメントした。
入所者ら歓喜「第3の扉開いた」
療養所の一般開放を「社会復帰」と位置付け、活動を続けてきた入所者からは、歓喜の声が上がった。
国賠訴訟全国原告団協議会の谺(こだま)雄二会長(76)は11日午前10時15分、参院本会議を傍聴した同協議会の竪山勲事務局長から一報を聞いた。「やったぞ」。携帯電話を握りしめ、喜びをかみしめた。
同園には社会復帰を望みながらかなわずに亡くなった人も多い。谺会長は02年ごろ、「生きた証しがほしい」と中沢町長らと園の一般開放を求める活動を始めた。療養所を入所者の利用に限る「らい予防法廃止法」の存在や、根深い差別意識など、多くの障壁があった。
あれから6年。ピーク時に約1300人を超えた入所者も、現在は168人まで減った。だが悲壮感はない。「らい予防法の廃止、国家賠償訴訟の勝訴に続き、我々の社会復帰を阻んだ第3の扉が開いた。今後はこれをどう実らせるかだ」。谺会長は力を込めた。
基本法制定を求める署名は93万人に達した。入園者自治会の藤田三四郎会長(82)は「国民の善意の力が反映された」と感謝している。
出典:毎日新聞
海洋深層水、効能検証モニター募る 焼津市など
海洋深層水によるタラソテラピー(海洋療法)の効果を検証するため、焼津市と高木邦明県立大薬学部准教授が市民モニターを募集している。
「リラクゼーション効果」「アトピー性皮膚炎・不眠症解消」の二コース。6月中旬から来年2月にかけ、同市鰯ケ島の「アクアスやいづ」で5回もしくは6回のセラピーや運動指導を受け、効能を調べる。参加無料。
対象と募集人員は、リラクゼーションが20―40歳の女性25人、アトピー・不眠が15―45歳の男女25人。希望者は所定の用紙で31日までに申し込む。
問い合わせは焼津市地域資源活用室[電054(626)1129]へ。
出典:静岡新聞
フルート奏者・園城三花さん /京都
病に悩む人の支えに--音楽と学びの場提供のNPOを設立するフルート奏者・園城三花さん
「学びたいとの気持ちが、病気などでひきこもりがちになる心に活力を与える」と話すのは、NPO「三つの花希望プロジェクト」設立準備室の園城三花代表(45)=左京区。自身も二十歳過ぎから約20年、アトピー性皮膚炎に悩まされた。
フルート奏者という仕事上、人前に出ることが多かったが、「変な病気と誤解されるのが怖くて」病を言い出せず、ふさぎ込む日々だった。「でも私には音楽があり、学び続けられる環境に恵まれたことが支えになった。だから、病などに悩む人の支えになりたい」と、音楽と学びの場を提供するNPOを立ち上げる。
設立記念「源氏物語を学ぼう-音楽とお話とイラストと」は6月8日午後2時、中京区の京都文化博物館。無料。同室(075・791・5885)。
出典:毎日新聞
3つの「酵素」がカギ、「リビングフード」で食の不安に克つ
先ごろ、吉野家HDが購入した米国産牛肉に、BSE危険部位の脊柱が混入していた問題が明るみに出た。先に勃発した中国産餃子の問題では日本中を震撼させる事態に発展したが、度重なる騒動で、日本の食の安全が改めて危惧される格好となった。
そんな社会問題を背景に、最近「リビングフード」という食のあり方が注目されつつあることをご存知だろうか?
リビングフードとは、文字通り“生きている食べ物”のこと。最新の栄養学に基づき、生野菜や果物、海藻やナッツ類、発酵食品などの植物性食材を摂取する一方、肉や魚などの動物性たんぱく質は一切採り入れない。
このリビングフードはアメリカ生まれ。数々の効用が科学的に実証されているが、最大の効果は「酵素」を生きたまま摂取できることにある。
1985年、米国のエドワード・ハウエル医学博士が酵素栄養学を確立。酵素には、消化を助ける「消化酵素」、新陳代謝を促す「代謝酵素」、植物性食材に含まれる「食物酵素」の三大酵素があるが、これらは身体の生命活動に不可欠である。しかし、酵素は熱に弱く、約47度以上で加熱すると壊れてしまうため、火を使わず、加熱・加工せずにそのまま摂取する「リビングフード」の考え方が生まれたのである。
似たような健康食に「マクロビオティック」がある。
これは、日本の伝統食に近い玄米菜食で、歌手のマドンナやハリウッドのトップ女優たちが採用していることでも知られている。「一物全体」(皮や根まで全部食べる)や「身土不二」(土地の旬の物を食べる)を基本としており、日本でも1990年代に火が点いた。
しかし、このマクロビオティックにも欠落しているのが「酵素」で、リビングフードはさらに一歩進んだ食事法といえよう。
また、いわゆる「ベジタリアン料理」も、火を使うことで酵素を破壊してしまうことがあるので、リビングフードは一線を画すものだ。
このリビングフードのさらなる魅力は、アンチエイジングや体質改善にも抜群の効果を示すということだ。デトックス効果があり、肌をみずみずしく保つほか、アトピーや便秘、疲労などにも効果的だという。
こうして、欧米を中心に「リビングフーディスト」が爆発的に増えているのだが、日本でも「日本リビングフード協会」が設立され、3年前から日本で初めての料理教室を主宰している。
同協会では、リビングフードを「美と健康を追求するための美しく効率的な食のスタイル」と位置づけており、食を通した健康的なライフスタイルを提唱しているのだ。
21世紀、両極化する食のあり方を眺めるにつけ、一消費者として、深く考えさせられるのは筆者だけではないだろう。
出典:ダイアモンド・オンライン
「韓方名医村」を設立へ /忠北・堤川
忠清北道堤川市に、治療が難しい病気の治療やヘルスツアーを目的とした「韓方(韓国式の漢方医学)名医村」が整備される。
堤川市は11日、今年11月までに、海抜400メートルの高原地帯に位置し、環境が良好な鳳陽邑明巌里にある「山菜健康村」に「韓方生態体験団地」を整備する、と発表した。この村の住民など約60人は営農組合法人を組織し、環境にやさしい伝統的な家屋やチムジルバン(サウナ主体の韓国式健康ランド)、民宿、山菜直売場などを備えた「山菜健康村」を経営しているが、このほど正式な医療行為も可能な「韓方名医村」を設立することになった。
「韓方名医村」の敷地は440平方メートルで、営農組合法人が韓屋(韓国式の伝統家屋)を建設する。韓方医や「気」の治療、物理治療の専門家が常駐し、糖尿病や高血圧、アトピー性皮膚炎など治療が難しい病気を韓方で治していくこととしている。
また、一般的な韓方医院とは違い、鍼治療や薬剤を使った治療のほかにも、森林浴や山歩きを勧めるなど、周囲の自然環境を最大限に活かすことで患者の治療の一助とすることにしている。「山菜健康村」の住民たちが採取した漢方薬の材料や山菜を患者に供給し、また週末には山菜直売場を運営する。
一般の観光客に対しては、自然体験や健康食品の購入、健康相談や治療などが可能なパックツアー型のヘルスツーリズムを実施する。
約550人の会員を擁する韓方産業ベンチャー協会は、ここに「大韓名医村(株)」を設立し、治療と観光を兼ねたさまざまなプログラムを実施していく方針だ。週末には同協会に所属する優秀な韓方医たちが、自らの専門分野に合わせた治療プログラムを実施するシステムも構築することにしている。
韓方名医村が建設される地域は、中央高速道路の堤川インターチェンジから10分程度でアクセスでき、宿泊施設や文化センターもあるため、堤川地域の代表的な観光コースとなることが期待されている。
堤川市は「韓方の街・堤川」としてのブランド価値を高めるため、全国にアピールできる韓方名医村を整備することとした。2010年に開かれる「堤川国際韓方・バイオエキスポ」を成功させるためにも大きく貢献するだろう」と話している。
出典:朝鮮日報
《総合診療ブックス》 皮膚科医直伝 皮膚のトラブル解決法
中村 健一 著《評 者》伊藤 澄信(国立病院機構本部)
不安を興味に変えてくれる一冊 皮膚疾患を診るためのコツが満載
自分が医学生のころ,脂漏性皮膚炎を患っていたことがある。左頬部にできた,時々悪化する皮疹が皮膚科のテキストをみてもわからずにいたことを思い出す。通常の教科書は疾患の頻度に応じて記述の順番や量が配慮されていないために,初学者が診断にたどり着くのは容易ではない。この本があれば悩まずに済んだのに,と思う。
通常の皮膚科の教科書は疾患の頻度を無視して記載してあるので,目の前の患者さんがどの疾患なのかを判断することは容易ではない。プライマリ・ケアに必須なのは頻度の高い疾患の診療と見落とすと致命傷になる疾患の初期対応である。本書のすばらしさは,遭遇する頻度の高い皮膚疾患とその対応策が述べられていることにある。特に,稀でも落とし穴が隠れている場所と対応策を重点的に書いてある本なんてそうざらにあるものではない。
「皮膚科診療は立会勝負である」と著者はいう。皮膚の異常は誰にでも見えるし,良くなったのか悪くなったのかわかるからごまかしがきかない。そのため上手に保険(診断がはずれてもトラブルにならないようにするための患者さんへの説明)を掛けないととんでもないことになってしまう。本書には,著者の痛い経験からできた対処法や説明が随所に散りばめられている。失敗に基づいた説明は説得力が違う。それに加えてきれいな写真の数々。通常のアトラスであれば典型例が1つ例示されているだけであるが,本書では疾患のバリエーションをきれいな写真で提示している。皮膚疾患を理解するのに最適な方法だろう。
本書には汗疱,蕁麻疹,アトピー性皮膚炎,しみ・ほくろ,脂漏性皮膚炎,ジベルばら色粃糠疹,尋常性疣贅,とびひ,毛虫皮膚炎,ジアノッティ症候群,足白癬,単純ヘルペス,疥癬,痒疹,癖による皮膚炎,おむつ皮膚炎,尋常性挫創,褥瘡,靴源病,薬疹,ステロイド酒・905b・について記載されており,これだけ知っていれば皮膚科の診療もできそうな気さえする。もちろんスタンダードな教科書ではないので皮膚科の総論や基礎的な事項は書いてない。教科書には書かれていない,実際の臨床をやっている人だけが知っている診療のコツが満載なのだ。本書一冊で皮膚科診療ができるわけではないし,皮膚科のトレーニングの代わりになるとは言い難い。しかし,通院中の患者さんに皮膚疾患が出てきた時の不安を,興味に変えてくれる一冊であることは間違いない。
全体を読み終わってから冒頭の総論を読み直すと,著者の思いが伝わってくる。皮膚科は結果が患者さんにもわかるので,患者さんとのコミュニケーションが大事だということである。コミュニケーションをサポートするために,各疾患ごとに記載されている患者さん向けの説明文書「For Patients」は秀逸である。「For Patients」は患者さんへの説明というより,むしろ一般医が知っておくべきエッセンスの凝縮である。
付録として「現場で使えるデジカメテクニック」がついている。これだけきれいな臨床写真を撮るコツまで披露してしまう著者の気前のよさは,「言葉の罠と落とし穴」に記載されている失敗談からもわかるように,ストレートな診療理念を持つゆえだと思う。
本書が内科診療所に出回ってしまったら,皮膚科診療所に行く患者さんが減ってしまうのではないかと心配してしまうほどの出来のよさ。まさに目からウロコの皮膚科診療極意書である。
A5・頁208 定価4,200円(税5%込)医学書院
ISBN978-4-260-00506-7
出典:週刊医学界新聞