アルコール【3】「低級アルコール」「高級アルコール」の違いとは
こんにちは。橋本です。
アルコールは、炭素( C )の部分と、ヒドロキシ基( OH )の部分がある物質でしたよね。
それぞれのアルコールによって、この炭素( C )の数が違ってきます。
炭素( C )の数で、アルコールを分類することもよくあります。
それが、低級アルコールと高級アルコールの分類です。
「高級アルコール」は炭素が6つ以上
炭素( C )が5つまでのものを、低級アルコール。
炭素( C )が6つ以上のものを、高級アルコールとよびます。
たとえば、高級アルコールのひとつで、ヤシ油からとられるラウリルアルコールは、炭素が12個( C12 )もつながった端にヒドロキシ基( OH )がくっついています。
つまり、高品質だから「高級」とよぶわけではなく、炭素が多いものを「高級」とよんでいるんですね。
この炭素の多さでも、そのアルコールの性質も変わってきます。
たとえば、炭素の多い「炭化水素」の代表である「ワセリン」が水をはじくことでもわかるように、炭素が多いほどと油性が強くなります。
傾向としては、
低級アルコール → 水性
高級アルコール → 油性
という感じです。
低級アルコールの例 |
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エタノール |
グリセリン |
イソプロパノール |
ブチルアルコール |
高級アルコールの例 |
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イソステアリルアルコール |
ヘキシルデカノール |
ラウリルアルコール |
ミリスチルアルコール |
セタノール |
ステアリルアルコール |
セトステアリルアルコール |
オレイルアルコール |
ベヘニルアルコール |
オクチルドデカノール |
油性の高級アルコールも、少し水になじむ
ただし、高級アルコールでも少し水になじむ性質があります。
なぜかというと、それは、アルコールの特徴である、ヒドロキシ基( OH )に秘密があります。
このヒドロキシ基( OH )は、分子を見ると、水( H2O )と構造が似ていますよね。
物質は、分子構造が似ているもの同士はよくなじむ、という性質があります。
高級アルコールは、全体的には油性であるものの、ヒドロキシ基があるために、ほんの少し水になじむというわけです。
この特徴を利用して、高級アルコールは、クリームや乳液の乳化をサポートする、乳化助剤として配合されることもあります。
メインの乳化剤にはならないけど、乳化のサポートはできる、というわけですね。