彼女を亡くして
食事睡眠を取らずに
彼女の体液の付いた
絨毯を見て過ごしてる彼を
心配しながらも、
そっとしといてあげなきゃと、
我が家は、家で過ごしてた。
夕方、彼からTELがあった。
やっぱりご飯に行きませんかと。
パパは仕事だったし、
パパが居たら
弱音を吐けないだろうと、
私だけ行った。
待ち合わせに現れた彼は、
泣き腫らした不細工な顔で
どうやっても履けてないだろって言う位、サイズ違いな、
キティちゃんの突っ掛けを
履いてた。
泣きながら笑ってやった。
お店に入っても、
食べないし、ずっと
泣いてた。
死体から取った、
エンゲージリングを
握りしめてた。
これを形見にするんだって…。
指に入らない入らないと、
到底サイズが違うリングを
小指にはめようとしてた。
私は、彼より泣いちゃダメだと
嗚咽しないように
泣かないようにしてたけど、
それは、難しかった。
そのリングを首から
下げたら良いと言ったら
どうやって?と言ってきた。
チェーンを買って通せば良い事を彼は、思い付かないみたいだ。
あんなに頭の切れる彼は、
小さくなって、子供みたいに
人目もはばからず泣いてた。
彼を知ってる人達は、
この人が、こんなになるのを
見たことないだろう。
人の悲しみも、悪態をついて
笑い飛ばす人だから…。