サロンに着いてアトムを見て
すぐに聞いた。
『痙攣したのか?』
素人だけど、痙攣した後みたいだったから。
トリマーやスタッフがしてたと
言った。
後できちんと問いただしたら
二回痙攣したと…。
痙攣したなら病院行くだろ。と、
なじって連れ出した。
連れ出した私は、どこに病院が
あるのか分からないけど
以前見た看板を頼りに走った。
アトムを抱いてついてくる
スタッフ!
ここか!ここだろ!と
30メートル先を指差す。
トリマーは答えない。
わからないようだ。
でもそこだった。
休診時間だったけど
夢中でピンポン連打しながら
助けてだの、急患だの叫んだ。
すぐあけてくれた。
そこは、若い夫婦で営んでた。
何があったのか聞く女医。
『死んじゃう。知らない。トリミングに預けたら、こうなった。死にそう。大型に噛まれて痙攣したって!知らないの何も!死んじゃう!』
女医は、
お姉さんパニックだから
落ち着いて話して。と、
トリマーに聞く。
トリマーシドロモドロ。
心肺停止してるからと
頑張って見るけど
望みは薄いと言われた。
このやり取りの間、五分。
私は誰よりも早口で、興奮すると
もっと早くなるんだ。
私は気付いてた。
もうアトムに会えないだろうって。
アトムの歯茎や舌は、
あんな色じゃないから…。
でも、信じたくないし、
奇跡は起きるって思った。
蘇生に入っている先生たちに
ずっとやってくれ、
助けてくれって伝えた。
先生たちは頑張るって
でも、心臓が蘇生する
可能性は低いって。
2分で着くと言っていた
彼らは、2分以上経ってきた。
新生児を抱えて。
多分楽しくお出掛けしてたのかな。