地球外文明ETCが既に地球にも来ていていいはずなのに、その証拠がまだ見つかっていないという「フェルミ・パラドックス」の解の一つ目「エイリアンは実は来ている」を検証してみる。 1947年6月に自家用機でワシントン州の上空を飛んでいて、操縦席から空に浮かぶいくつかの物体を見たのが人類が空飛ぶ円盤を見た最初であった。 同じ年の6月末から7月初めにかけて空飛ぶ円盤が1機ニューメキシコ州ロズウェルに墜落して、米軍が残骸からエイリアンの遺体を収容したと信じている人も多い。 しかしこの機体から収容されたエイリアンの検視ビデオは金目当ての捏造だった。 イギリスではミステリーサークルがUFOの仕業だと言われた。 だがその多分全ては人間が作ったものである。 空飛ぶ円盤がETCであればフェルミ・パラドックスは解決する。 しかし、空飛ぶ円盤の目撃例や来訪したことを証明する決定的な証拠は今のところどれも不十分だ。 
  次に、ETCが太陽系に訪れた証拠を残しているか調べてみる。 1908年にシベリアの針葉樹林がなぎ倒されたツングースカの爆発は、大気圏内で爆発した岩石質の流星体のせいと考えられている。 この他、地球にも月の裏側にも火星にも小惑星にもETCが訪れた証拠は見つかっていない。 
  さらに、実は地球の生物が地球外から来た同じ先祖に由来するという考え方がある。 すなわち我々はみんなエイリアンだというわけだ。 しかし地球上の生物が地球で生まれたのか、隕石に潜り込んで届いたのかは何十億年も経っており、判断できない。 ということで、エイリアンが実は来ている決定的な証拠はまだ見つかっていない。

<広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由>
スティーブン・ウェップ著 青土社