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本の説明です
本書は「特攻」という体当たり攻撃に志願し、それぞれの理
由から生き残ることになった元特攻隊員の証言集です。人間魚雷「回天」など
は、小説や映画で一般にも知られるようになりましたが、それでも航空機以外の
特攻兵器は、その数・規模を含めてあまり知られていません。
本書では、人間爆弾「桜花」、人間魚雷「回天」、人間兵器「震洋」、人間機
雷「伏龍」、「九九式襲撃機」、人間兵器「マルレ」「九七式艦上攻撃機」
「零式艦上戦闘機」に携わった元特攻隊員が登場します。特攻兵器にこれだけ
の種類があることにも驚きますが、本書では8人の元特攻隊員が、その当時の
状況を率直に語ります。「人間魚雷『回天』は内部からハッチは開かない」な
ど、誤ったイメージで語られがちな特攻ですが、「最後にこれだけは、この話だ
けは伝えたい」と高齢にもかかわらず取材に応じてくれました。当時の特攻隊
の内部のこと、作戦のこと、兵器のこと、隊員たちの悩み、喜び、葛藤......。
意図的に歪められてマスコミに伝わる重要証言など、今まで誰も耳にしたことの
ない話ばかりです。
戦争マニアでも特攻マニアでもないスタッフによって取材が進められた本書で
すが、言いたいことを自由に語ってもらうため、スタッフ全員の総意とし
て、証言には編集の手を加えていません。あくまでも「ありのままの特攻の姿」
を伝えています。当時の時代背景などは、詳しくない方でもわかるよう、下段に
注釈を入れました。一般に流布している特攻というイメージが覆され、戦争の真
の姿が伝わる一冊です。