【法律相談】
友人が酒に酔って帰宅する途中、駅のホームでつまずき、そばにいた通行人と一緒に線路に落ちてしまいました。ところが、周りにいた人からは、友人が通行人の方を突き飛ばし、無理心中を図ったように見えたらしく、友人は殺人未遂の容疑で逮捕されてしまいました。通行人の方は全治2週間のけがを負ったと聞いています。アトムに事件を依頼した場合、どのような弁護活動ができますか?
【回答】
無理心中の意思で他人を運行時間帯の線路に突き落とす行為は、殺人未遂罪を構成し、起訴され有罪になれば、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処せられます(刑法199条、203条)。他方で、酒に酔ってバランスを崩し、不注意で他人にけがを負わせる行為は、過失傷害罪を構成し、起訴され有罪になるとしても、30万円以下の罰金又は科料に処せられるのみです(刑法209条)。
アトムで事件を受任した場合は、まず事件の真相を把握するため、警察署の留置場でご友人と面会し、飲酒の経緯や量、帰宅時の状況や体調などについて詳細なヒアリングを行い、場合によってはその裏付け調査を行います。酩酊状態のご友人が事件の状況を覚えていない場合は、弁護士が直接、事故の現場となったホームに出向き、事故と同じ曜日・時間帯の混雑具合などを調査し、証拠にまとめます。
捜査機関に対する意見としては、殺人未遂罪は成立しないことを主張し、仮に理論的には過失傷害罪が成立するとしても、被害者と示談が成立しているため、不起訴処分(事件を起訴しない処分)とすべきことを求めます。過失傷害罪は親告罪で、示談により被害者の告訴が取り消されれば、事件を起訴することができないからです(刑法209条2項)。
実際、アトムでは類似の事件で殺人未遂の容疑を否認し、被害者と示談を成立させ、事件を不起訴にした業績があります。殺人未遂罪は裁判員裁判対象事件で、捜査側の取り調べにも力が入るため、刑事手続きを公平に進めるためには、被疑者側も十分な対策を立てる必要があります。