私が髄膜腫と診断されたのは2023年の1月。

髄膜腫によるわかりやすい症状(例えばてんかんなどによる発作)などもなかったので、自分の頭の中に4センチ大の腫瘍があるだなんて夢にも思っておらず、それはビックリした記憶がある。

今回から数回は、髄膜腫が見つかるまでの前日譚
オシャレにいうと、プリクエル、アニメっぽく言うと、エピソード0
気取ってみたが、髄膜腫発見までのただの経緯である。

だいぶ前の話になるのだが、私は2021年の8月に新型コロナウイルス感染症のデルタ株に感染している。
数日前に夫が感染し、私も時間の問題だろうと覚悟をしていたので、それについての驚きはなかった。むしろ、過去に夫がインフルエンザに罹患した際、私にはうつらなかったので、夫は、自分の妻はコロナにもならないだろう、と半ば本気で信じていたことのほうに驚いたくらいだ。
当時は、原則、コロナ=入院という時期だったが、デルタ株の爆発的な流行で医療機関はもちろん、療養用ホテルも満杯で入れない状況で、私と夫は自宅療養となった。


【コロナの症状】としては、
●発熱:薬を服用していたので、マックス39℃くらいで済んだ)
●味覚嗅覚障害:味覚も嗅覚も完全に喪失
●関節痛・筋肉痛
●倦怠感

などが挙げられる。咳や頭痛などもあったが、それほど酷いものではなかった。
また、これだけ発熱していれば、怠かったり痛かったりは当然のことで、薬を服用して眠るしかないのだが、鼻も詰まっていないのに、突然、すべての嗅覚や味覚がストンと消えた時には、「おお!これが噂の!!」とビックリした記憶がある。
とは言え、味も匂いも全くしない中でも、とにかく栄養はつけなければならず、ともすれば抜いてしまいそうな食事をどうにか詰め込み、「(夫)食べることは?」「(私)生きること!!」を合言葉に乗り切った。


結局、10日間くらいの隔離期間を経て復活したわけだが、夫婦そろって後遺症に悩まされた。私の後遺症は結構色々出た。


【後遺症の症状】
●味覚障害
徐々に味覚が戻ってきたのだが、当初戻ったのは甘みのみで、全てが甘く感じるようになった。唾液まで甘いという症状がしばらく続く。何もかもが甘いというのは味覚が消失していた時よりもきつかった。徐々に良くなってくるも辛味は戻ってこない。味覚としては辛くはないのだが、体は反応するようで、唐辛子が喉にへばりつきラーメンを盛大に吹きだしたこともある。
●嗅覚障害
味覚と同様、嗅覚も多少は戻ってきたものの、異臭に悩まされる。よくゴムが焦げたような臭いと言うが、もっと生っぽいものが焦げたような臭いを感じるように。秋の金木犀の香りが全くわからないレベルで嗅覚が消失していたので、動物の本能として危機感を持っていた。
●頭痛
療養後しばらくは在宅勤務にしたのだが、PCをしばらく見ていると酷い頭痛で動けなくなる。
●吐き気
近所の内科に行って吐き気止めをもらったところ、リバースすることはなくなった。
●倦怠感

復活してからしばらくは、徒歩5分のコンビニの往復ですら、休み休みふうふう言いながら移動していた。仕事をしていても2時間程度しか持たなくなる。
●抜け毛

●関節痛・筋肉痛
 

主なものは上記の症状で、これが結構長引いた。そのため、新型コロナウイルス感染症の後遺症外来に通うことにしたのが2021年の11月

その時々で必要な漢方を処方してもらいながら回復につとめた時期。仕事も負担を減らし、個人で受けているもののみ対応していた。

 

書き出してみると非常に懐かしい。

 

徒歩15分くらいの病院で検査をしたのだが、当然病院はパンク状態。真夏の昼間に外で40分くらい立って待っていたので、身体中が痛すぎて黙って立っていることができず、スポーツ選手が体をほぐしながら左右に揺れるように、私も謎のリズムで左右に揺れ動きながら、朦朧としながらも、「アスリートの振る舞い!」などと思っていたことを思い出した。

今思えば、実際はアスリートでもなんでもなく、良くて昭和のロボットの足踏み程度の動きだったのではないだろうか。

そして帰り道は、近所の病院なのに迷子になるというポンコツぶりを発揮。

 

2年前の新型コロナウイルス感染症について今さら振り返るのもどうかと思うのだが、ここがまさにエピソード0、全てはここから始まった、というのが私の体感なので整理させてもらった。

 

長くなったので、続きは次回に。