本日は、髄膜腫の手術に関係するあれこれについて。
私は、2023年の2月に髄膜腫の手術をしたのだが、1月に初めて脳神経外科を受診して、その時に髄膜腫についての説明を聞いた。
今さら説明するのも、という気もするし、本当にざっくりだが、頭の構造はイラストでいうと以下のような順番で並んでるらしい。
水色:頭蓋骨
オレンジ:硬膜
黄緑:くも膜
赤:腫瘍
わかりやすくしようとして、頭に虹がかかっているようなイラストになってしまったが、頭は外側から、頭蓋骨、硬膜、くも膜、書いていないが、軟膜という順序に並んでいて、脳を包んでいる3つの膜を合わせたものが髄膜と呼ばれていて、この膜の下にできた腫瘍なので髄膜腫と呼ぶらしい。
なぜ、この3つの膜を合わせた呼称がついているのかというと、医療がまだ今のように発達していなかった頃は、この3つの膜の分類がされておらず、まとめて髄膜と呼んでいたので、それが今も使われているという話を主治医から聞いた。
このように、事前に髄膜腫や開頭手術の簡単な説明は受けていたが、具体的な手術の順序というのは、入院初日の手術前夜に、説明書をもとにしてもらった。
それによると、私の場合は
●手術名:右頭蓋内腫瘍摘出術
●内容
START!!
①全身麻酔
②頭を固定、皮膚を切開
③硬膜切開、超音波メスで腫瘍を切除、腫瘍を脳から剥離
④人工硬膜で硬膜形成
⑤骨をチタンプレートで固定後、筋肉、皮膚の縫合
GOAL!!!
細かいことは端折っているが概ねこの流れ。
私がこの時に初めて聞いて驚いたのは、私の人工硬膜は、牛のアキレス腱がもとになっているという話。私の頭、牛のアキレス腱で蓋をするんだー。その上にチタンプレートなんだー。と、どう感想を持っていいのかよくわからない気持ちになった。
日々、牛乳、牛丼、焼き肉など、本当に牛にはお世話になっていて、私の一部は牛によるところが大きいが、頭にも牛由来の人工硬膜。牛には格別の思いが湧いたことは言うまでもない。
次にチタンについて。
退院後のある診察日、前から興味があったので主治医に質問してみた。
私「先生。」
主「はいはい。」
私「私、いつか死ぬじゃないですか。」
主「・・・(こいつ、何を言い出したのか、の沈黙)・・・まあ・・・そうですね。」
私「で、燃されるじゃないですか。」
主「・・・も・・・される?(警戒中)」
私「火葬場で。」
主「ああ、そういうことですね。はいはい。」
私「で、思ったのですが、この頭の中のチタンも燃えるのでしょうか。」
主「あー、それは、多分、残りますよ。」
私「残る!?」
主「火力にもよると思いますが、基本的には残るかと。」
私「おお。そっかチタンはころころと残るのか・・・。シュールだ。」
主「実際、残った話を聞いたことがありますよ!」
という会話をして疑問は解決した。
が、想像してみると、チタンプレートはまだよいとして、花びらの固定具が残るとは・・・随分陽気な話ではないか。
火葬されて出てきたら、花びらって・・・。
私だったら、ちょっと笑ってしまう気がする。
でも、まあそれはそれで面白いからいいか。
帰宅後、夫にもその話をし、頼まれてもいないのに「私のチタンあげるね!!!」と宣言しておいた。
私の頭にはチタンと牛がいる。
それでも、問題なく日常生活を送っている。
人間は弱いけど強い。
そう思う。