手術から1ヶ月半、退院後2回目の外来へ。

この日からは一人で通院を開始。CT撮影を終えてから診察へ。

 

①CTの結果
手術前からのCTを含めて画像で確認した。

手術前:4センチの腫瘍

手術直後:腫瘍を取り除いたあたりが黒く写っている。この黒い部分は空気とのこと。術後に頭の中がぽこぽこもきゅもきゅ鳴ってた原因はこれだったんだな。ちなみに空気は自然に脳に吸収されていくらしい。

術後3週目(前回の診察):空気は消失し、腫瘍を取り除いた隙間も1.3センチくらいまで埋まってきた。

術後7週目(今回の診察):隙間が5ミリくらいまで埋まってきていた。

ゆっくりといい感じで脳が戻ってきているとのこと。戻るとは聞いていたが、時系列でCT画像を眺めていると、本当に脳が元の位置に戻ってくるんだなぁと感心した。

 

②創部の確認

今日も楽し気に創部を確認し「うんうん、いいねぇ」と嬉しそう。

主治医は嬉しそうにしているが、私としては、1ヶ月半経っても、もみあげの辺りが痛むし、なかなか傷口が閉じ切らないことが気になっていたので確認。もう少しかかるかもしれないけれど、時間が解決するだろうとのことで一安心。

チタンプレートの入っているあたりの感覚が鈍いのは、しばらくは続くらしい。こめかみの上のあたりのチタンの痛みは仕方ない。加齢により皮膚が薄くなっていくことで痛みが出てくることもあるらしく、今の時点で痛みがあるということは、今後よくなることはなさそう。仕方ない。

余談になるが、プレート下の、腫瘍と一緒に削り取られた頭蓋骨はなくなっているので、CTで見るとそのエリアはプレートの厚さはあっても骨がなく薄く写る。しかし防御力にあまり変化はないらしい。チタンって頑丈なんですねぇ。

 

③その他の気になるところ

後頭部の赤み:このところ後頭部(右側)の痛みが気になっていたので、自宅で夫に見てもらったところ、皮膚が赤くなっていたのでそれを確認してもらったが手術とは関係ないらしい。気になるなら皮膚科に行ってみるように、とのこと。

痺れ:体の痺れは脳の手術とは関係ない。頭の痺れはそのうち治る。

ふらつき:そのうち治る。

眠気:集中力の低下もひどいので、てんかん予防の薬を終わりにしたい!と主張するも、脳が動いているうちはダメです、と却下。

 

④取り除いた腫瘍を見せてもらう

私の腫瘍は硬かったという話から「そういえば、腫瘍の画像見ますか?」と聞かれた。何のお知らせもなくひっそりと誕生して、勝手に私と共に人生を歩んできた(らしい)腫瘍に興味があったので「見たい見たい!」と希望。

主「(腫瘍の画像を出しながら)・・・これですね」

画面には、4~5個の茶色くなった腫瘍の残骸

私「汚っっっっっ!!!」

私のドン引きする姿を目の当たりにし慌てる主治医

主「いや、レーザーで焼き切ったから、焦げて茶色かったりするけれど、頭の中にある時は血液でピンク色ぽくてもっとキレイなんですよ!」

<ぁあ?血液でピンク?血塗られた腫瘍がキレイな訳ないだろ?この人まさか “ピンク=キレイ=かわいい” とか思ってるのか?マジか?どう見ても恐竜の化石(イメージ)じゃねえか。の顔>

私「・・・・・・・・・」

主「・・・・・・・・・・・・・」

いや、ピンクでキレイとか訳わからないこと言ってるけど、そもそも見たいと言ったのは私だった。この空気どうにかしないと・・・。

私「写メしていいですか?」

<はあ?何言ってるの?今、すごい顔して「汚っっ!」って言ったよな。それなのに写メ?マジか?・・・怖いわぁ。この患者、どういう頭の構造してるんだよ。の顔>

主「・・・腫瘍の撮影ですか?・・・」

私「いつもCTやMRIの写メさせてもらってますし。腫瘍はダメですか?」

主「いや、ダメというか、これまで腫瘍を撮影した人・・・いないですよ」

私「え?そうなんですか?腫瘍の場合、撮影はダメってことですか?」

主「・・・いやぁ・・・でも、いいのか。肖像権はコトムさんにあるのか・・・」

私「・・・肖像権・・・?」

とだいぶ気持ち悪い会話をしながら、写メをさせてもらった。

 

と言うか、腫瘍の肖像権?MRIやCTの著作権じゃなくて、腫瘍の肖像権・・・。

考えたことなかった。前提として、自分の腫瘍を外部に出すつもりはないのだけれど、腫瘍の肖像権って私に帰属するのか?

著作権ならば、私が頭の中でこしらえた腫瘍だから、私がクリエイター(ポジティブすぎる表現に自分でも驚いた)だとして、それを摘出し撮影したのは主治医だから、彼もクリエイトに参加している。合作か?

と言う、実に意味不明なことを考えながら帰路についたが、いまだに謎は解けていないし、知る必要もない気がする。