長引く頭痛はあり薬は服用したものの、昼寝を控えたので、昨夜はそれなりに眠れた。

顔の腫れも下半分、ほっぺまわりに集中してきたので、目も開いてきてハレグルシサからだいぶ解放されつつある。写メを撮ると、ひたすら丸く、健康的にすら見えるから不思議だ。

 

朝ご飯を終えると、回診のためにチームAが登場。創部の確認をしたところ、予定通り2日後に抜鉤できそうとのこと。「その翌日は退院っすね!」と軽いノリで言質を取ろうしたが、そこは主治医と相談だとあしらわれる。

 

9:30~リハビリ

今日はリハビリステーションに行ってみましょうとのことで移動。

①トラック 3周歩

療法士さんが、今日も私の後ろをついてきてくれる。本当にいつもありがとうございます。

②5~6段の階段上り下り 3往復

リハビリ用の階段を手前から上がり、向こう側に下りる流れなのだが、なぜか下りる階段の数十センチ先に、ふくよかなご婦人が杖を持ってどっしりと椅子に陣取って“お前に力があるのなら、こちらまで下りてきてみろ”的な厳しい視線でこちらを睨んで座っている。それに先に気が付いた療法士さんが焦った様子で「コトムさん、上まで行ったら、こちらに戻ってきてください」というので、ちまちまと行ったり来たりを繰り返した。階段のリハビリを終え、療法士さんからの「休憩中の方がいましたね」などの説明を待ったが、ご婦人の存在に全く触れてこなかった。あのご婦人は、リハビリ階段の妖精だったのかな・・・

③エアロバイク 負荷はあまりかけずに10分間

今どきの入院は、本人の体力が落ちないようにということで、すぐに自力で歩くように促したり、リハビリを開始するとは聞いていたが、普段から自転車にも乗らない私からすると、開頭した5日後にエアロバイクを漕ぐのはなかなかの冒険。頭の中からちゃぷちゃぷ、もきゅもきゅという音が聞こえてくるが、これでいいのか?と思いつつも、リハビリ終了。

 

病棟に戻ってしばらくすると、主治医が現れ、創部の確認をした上で「予定通り、明後日抜鉤して、その翌日に退院ということで進めましょう」と言ってくれた。ちなみに主治医が様子を見に現れるときのオペ着の着用率は8割を超えていて、オペの前やオペの合間に様子を見に来ては、「キレイだキレイだ」と嬉しそうに創部を眺め褒めそやして、満足げに立ち去っていく。創部見るのがそんなに嬉しいものなのか、常人である私には理解できないが、とにかく傷口マニアだということだけは理解している。

 

午後、予定通り退院できそうだということを実家の母に連絡をしようとスマホに電話をかけた。

術後1度電話をした際には本当に心配していたようなので「順調なことを報告して安心させてあげたいな」と思って電話をしたのだが、出ない。というか、昨日も一昨日もかけているのだが、まず出ない。入院前はあれこれ心配して「足りないものはないか」「自分が入院した時はこうだった」「痛みはどうなのか」「先生は信用できる人なのか」「手術の時は病院に行った方がいいだろうか」などと、それはもう心配してくれて「コロナ禍だから面会できないし、来てもすることないから大丈夫だよ」となだめることに大変だったのに、手術が終わって成功を確認してからというもの、こちらからの電話に一切出ないのである。

体調が悪いなどの理由があるのかと心配するところだが、いたって元気そうだということは姉からの情報で知っているし、LINEはたまにくる。

私のミーハーで飽きっぽい性格は母親譲りなので、彼女に何が起きているのかはすぐ理解したが、その後、電話がつながった時に「突然興味を失われるとこっちも驚くので、その“山場は乗り越えた感”を全面的に出してくるのはやめてください。ふりでもいいので、もう少し心配してる感じを残しておいてもらえますか」ということをお願いした。