夜中に頭痛と咳がひどく、ロキソニンを処方してもらい、どうにか数時間は寝たものの、朝起きたら、顔の腫れがいよいよ本格的になってきいていた。
姉に画像を送ったところ、「“ろくでなしブルース(だいぶ昔のケンカとボクシングの少年漫画です)”の表紙みたいだ!」と返信があり、古すぎる例えに愕然とする。
後日気付いたのだが、手術前に両親に「手術行ってきます」のメールをしたところ、父から「よし冷静に!」と返信がきていた。
あれ?父親と姉は、私が手術したのではなく、ボクシングの試合にでたとでも思ってるのか?
父親にいたっては私のセコンドみたいなポジションでコメントしてるけど、何?
しかも、このビジュアルは負けてるよね。完全に惨敗してる。
朝ごはんは大好物の納豆が出たが、食べられず断念。
この時初めて、右の顎の痛みがひどくて口がほとんど開かないことに気づく。
前回のブログ、手負いのメスゴリラ事件がメインになってしまったために書き忘れていたが、てんかんの薬も処方されて、食後に服用しはじめる。
朝の回診に来た先生に顎の痛みについて聞くと、そのあたりの筋肉を司るところをいじったから一時的に不自由になっているが、いずれ良くなっていくとのこと。
おでこもマシュマロのようにぷよぷよしていたが、それもあるあるらしい。
顔の腫れについては「まだピークではなさそうね」と言われ、これ以上どのように腫れるのかとしばらく鏡を眺めてみたものの、目が肉に埋もれているので、顔の全体像がつかめない。
この経験をした方々はわかると思うのだが、腫れていて痛いというより、腫れてて苦しいというのが感覚的に近い。と言うことで、この日から、私の中でこの状況を「ハレグルシイ」と命名。私自身、退院して以来まだ使ったことはないのだが、よかったら使ってください。
また、点滴はひとつを残して全て外れ、尿管も抜いてもらったので、点滴を転がしながらよたよたとトイレに行けるように。
で、歩き始めて、頭の中から、ごぽごぽ、もきゅもきゅという音が聞こえることに気が付いた。これも「ハレグルシイ」に続いて初めての体験。先輩方のブログで、このような音が鳴る方もいるらしいと知識としては持っていたものの、体験すると、不思議で、もきゅってなんだよ、とトイレでニヤついてしまう。顔をパンパンに腫らしながら点滴を転がしながらニヤついてよたよたと歩く姿は相当気持ち悪かったと思う。
9:30からMRIということで車椅子で移動させてもらう。寝不足だったこともあってか、ここでまさかの寝落ち。こんなにうるさい環境で眠れる自分の図太さにちょっと引く。
15:00からは初めてのリハビリ。まずはベッドの脇で両足で立ってみたり、片足立ちしたり。片足立ちについては、どうということのない動きのはずなのに、どうも真っすぐ立てずに後ろに引っ張られる感じでベッドにお尻をついてしまい、ちょっと落ち込む。
まっすぐ歩くこと自体は問題なさそうなので、廊下を少し歩いでみましょうということで、しばらく歩いていると、下のコンビニからワゴン車で移動販売が来ていることに気づく。
と、ここで私のミーハー魂に突然の着火!
仕事中でも雹が降ってきたと聞けば外に飛び出し、雷が鳴ればずっと外を眺めて、そろそろ戻りなさいと呼び戻されるようなミーハーな私が、ワゴン車の移動販売を放っておけるわけがない。
「リハビリ中なのは重々承知しているのですが、このままでは移動販売が終わってしまいます。私はどうしても移動販売で何か買いたいのです(何を買うか決まっていないのに暴走するのがミーハーの特徴的な行動です)。ここはひとつどうでしょう。私にお時間をいただけますでしょうか。」と療法士さんに丁寧な屁理屈で懇願。
さっきまで「体が後ろに引っ張られてしまいます・・・」としおしおとリハビリしてた女の突然の豹変ぶりに驚く療法士さんを押し切り、付き添ってもらいながらいそいそと買い物。
リハビリも終了し、夫に「移動販売が来た!買い物したよ!!戦利品」と写メを送ったところ
「かたくてまだ食べられないんじゃない?」
・・・・・・・・移動販売の思い出ということで、退院時に持ち帰りました。