少し前の話になりますが、ずっとやろうやろうと思いつつやってなかったことです。


報道ステーションの特番の最後、キャスター古館伊知郎さんが仰ったお話の文字起こしです。


まだ、YoutubeやFC2に少し残っているようですが、いずれ著作権の名の下に削除されるでしょうから、文書で残す事にしたかったんです。


まだご覧になられていない方がいらしたら、どうぞお読み下さい。

こんなキャスターがいるんです。


報道ステーション特番での古館スピーチ(一言一句)


この番組を、およそ2時間半にわたってお届けをして参りました。
今、テレビをご覧の皆様。
わたくし、二つの、この番組に対して後悔する事があります。


一つ目は、牧場の主の方になんとか無理を言ってでも、あの牛の墓場を撮影して、皆様にお届けするべきだったと、今考えています。

私達は、物を喰らって生きています。
しかし、その生き物が育てられていく現場、そしてその現場で、今、大変悲惨な事が起きていると。。。

それをテレビは避けずに、直視して、皆様に見て下さいと、私は言う勇気を持つべきだと、今後悔しています。


そして、二つ目の後悔は原発に関してです。

報道ステーションではスペシャル番組として、去年の12月28日の夜、原発の検証の番組をお送りしました。

津波で原発が壊れたのではなく、それ以前の地震によって、一部第一原発の何所かが損壊していたのではないかという事を、その追求をしました。

今回、このスペシャル番組で、その追求をする事は出来ませんでした。


原子力村という村が存在します。
都会は、こことは違って、眩いばかりの光にあふれています。
そして、もう一つ考える事は、地域で、主な産業ではなかなか暮らすことが難しいという時に、その地域を分断してまでも積極的に原発を誘致した。
そういう部分があったとも考えています。

その根本を、徹底的に議論しなくてはいけないのではないでしょうか。
私は、それを強く感じます。

そうしないと、今、生活の場を根こそぎ奪われてしまった福島の方々に申し訳が立ちません。

私は、日々の報道ステーションの中で、それを追及していきます。

もし圧力がかかって、番組を切られても、私はそれはそれで本望です。

また、明日の夜9時54分に皆さまにお会いしたいです。
おやすみなさい。


その後、テレビ朝日経営サイドから、「局として圧力を受けて追及しなかったのではない。」

「これは、これからに向けた決意。」との、多少弁明めいた公表がありました。


以来、明らかに報道ステーションのスタンスが変わり、テレビ朝日(地上波)自体も、少しばかりですがストレートニュースに向かい始めたように感じます。


皆さんの選択の自由を誘導するつもりはありませんが、答えありきで再稼働を後押しするマスコミに比べれば、私は充分見る価値はあると感じます。