武士道シックスティーン、セブンティーン、エイティーン という本を読みました。

誉田哲也さんと言う方が書いた、それぞれ1冊ずつ、3巻になっているものです。


題名の通り、16歳、17歳、18歳の女子高校生の話なので、

幼稚に感じてしまうかな?と思いながら読んだのですが、

全くそんなことはなく、凄く面白かったです。

「女の友情の理想形」を見た気がします。

(ちなみに主人公の恋愛話は全く無いです。)


この話の主人公の一人である、磯山香織がいい。

男勝りで、真っ直ぐで、負けず嫌いでストイック。

好きな本は宮本武蔵の五輪書。

言葉づかいも面白く、普段は、テメェとかこの野郎!とか言うかと思えば、

ウツケモノとか、武運長久を祈るとか。。。(ちょっとオタクっぽい)

昼休みは鉄アレイを持ちながら、一人おにぎりを頬張っているという女の子。

私の見た目のイメージは、

ロンドンオリンピックの柔道(57kg級)で金メダルを取った松本選手みたいな感じです。

(この話は、柔道ではなく剣道なのですが、、、)


もう一人の主人公は、香織と同じ歳の甲本早苗。

この子は、一見、ふにゃふにゃした普通の女の子。

子供のころから日本舞踊をしていたけれど、中学に入ると日本舞踊の部活がなかったから、

何か日本的で立ってできる部にと、剣道を始めたというもの。

勝ち負けに一生懸命になったりするのがあまり好きでは無く、

いつも能天気でいたいという、いい子ちゃん。

でも、彼女も実は真の強い、武士女なんです。

転校先の剣道の名門校(福岡南)でナンバーワンのレナに

果たし状を出して、決闘して勝ったりする。。。



中学生の全国大会で準優勝だった香織と、それまで大して勝ったことが無かった早苗が、

中3の終わりごろに、地域(横浜)の小さな大会に練習のつもりでエントリーして

対戦し、香織は早苗に負けてしまうとこから話が始まります。


二人の成長の過程に加えて、二人と関係する周りの人の人生も興味深く、

また、武道としての剣道とスポーツとしての剣道の考え方の葛藤も

上手く表現されていていたと思います。


高校最後のインターハイで、香織が個人優勝するところもかっこいいのですが、

そこで話が終わるのではないところが、この本のいいところ。


私は、それ以前の話、

香織と、香織の師匠(桐谷道場の桐谷ヨシアキ)、

早苗の転校先福岡南高校の剣道部顧問の吉野先生が、

それぞれ、実戦から、武道とは?、武士道というのは何の為にあるのか?

という疑問に対して、答えを見つける場面が特にすっきりしました。


そう、あの場面。

幼馴染の清水(男の子)と自分の剣道部の後輩が、

不良に絡まれているのを香織が助けた場面です。


刃渡りの長いジャックナイフを持った男と、

バタフライナイフをかちゃかちゃ見せびらかすように回す金髪野郎、

もう1人はどこにいるのかわからない。


そういう中で、香織は木刀をいつもと変わらない中段に構える。


「いっぺんでも木刀ふったら試合に出れなくなるからな」


と脅されながらも、


「・・・いいからつべこべ言わずに掛かってこい!」

 もう、わたしの覚悟は決まっている。

 どうすべきかも、分かっている。

 武士道において、なすべきことはただ一つ。

 武士は、戦いを収める。

 相手を殺さず、暴力のみを封ずるのだ。


この時の香織は本当にかっこいいのです。(どの試合よりも)

この後、三人の不良を、コテ メン、引きメンで負かした後、


自分も急性胃潰瘍になって、病院に一日入院するところが可愛い。。。

(かなりの緊張だったのです。)

この実戦の後から、香織は無敵なくらい、剣道も強くなるんです。



香織と早苗、どちらも女子高校生らしく、悩んだりすることもあるのですが、

この二人は、女子高生にありがちな慰め合いなんかしません。

途中から早苗はライバル校に転校していくこともあり、

一緒にいることはほとんどないのに、魂で繋がっているという感じ。

(友でありライバルなのです)

最後まで、べたべたする関係にはならずに、

お互いを認め合っているところがステキでした。


私にこういう友人っているかな。。。

なんとなく一人思い浮かびました。。。(笑)


次は 百田さんの影法師を読みます。