昔に比べて、
家の中で聞かれなくなった声が
三つあると、ある方がおっしゃっていました。
その三つとは、
①赤ちゃんの産声
昔は、家の中で、助産婦さんの介助で子どもを
産んでいました。
お湯を沸かし、産湯を使いました。
そのとき、隣の部屋で、小さなお兄ちゃんやお姉ちゃんが
弟や妹の産声を聞いていました。
私は、4歳のとき、弟の産声を聞きました。
②慟哭の声
昔は、ほとんどの人がお家で、最後(死)を迎えました。
今は、ほとんどの人が、病院のベットの上で最後を迎えます。
昔は、湯灌といって、家族のみんなが、おじいちゃん、おばあちゃんの
枕元に集まって、ガーゼを湯に浸し、
息を引き取るじいちゃんの口元をぬぐってお別れをしました。
先生の、「ご臨終です」の一言で、周りのみんなが、
嗚咽し、慟哭したのです。
でも、今は違います。
「ご臨終です」のあと、すぐに看護士さんが、
「ご遺体を拭きますので、この部屋から出てください」
家族のものは、故人の前で、泣くこともできません。
私は、4歳の春に弟の産声を聞き、
4歳の冬、おばあちゃんの最後を看取りました。
戦地から帰ってきた父は、やっと30歳になったばかり。
声を震わせて、泣いていたのをしっかり覚えています。
③おやじの怒鳴り声
ぷっ!・・・・・・・・・・・・・(笑
僕は、優しい親父でしたから(笑
そして、まだまだ、お家の中から聞こえなくなった声があります。
私は、そんなよき時代を懐かしんでいるのではありません。
そんな時代が戻ってくるとも、思ってはいません。
ただ、そんな声かけが、
私の「いのち」の根源に、深く響き渡ったことは
間違いないと思っているのです。
少しでも多くの方に読んでいただきたいので、
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