今は亡き俳優植木等さん。
植木等の父植木徹誠さんは、若くしてキリスト教の洗礼を受け、
その後なぜか僧籍に入り、仏弟子になった。
その間、社会主義者として、労働運動、部落解放運動に奔走。
昼間はお年寄りたちに仏法を説き、夜は若者たちを前に
社会主義革命を説いた。
そして、戦争の真っ只中、人間平等、部落解放、戦争反対を
主張しては、幾度となく検束され拷問を受けながらも、決して
節を曲げなかった、無垢な求道者でもあった。
私は、解放教育の研究大会で、植木等の講演を聞きました。
NHKの教育テレビでも、聞いたことがあります。
そして、この一冊を手にしました。
父は子どもに理解されたいと願い、子は父を理解したいと願っています。
そんな父子の思いが、この一冊の中に熱くこめられています。
- 夢を食いつづけた男―おやじ徹誠一代記 (朝日文庫 う 3-2)/植木 等
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戦争熱が高まっている頃、檀家の人が寺にやって来て、
「召集令状がきました。留守宅をよろしくお願いします」
などと挨拶することがちょいちょいあった。
おやじは、そんな時に、こういった。
「戦争というものは集団殺人だ。それに加担させられる
ことになったわけだから、なるべく戦地では弾のこない
ような所を選ぶように。周りから、あの野郎は卑怯だ
とかなんだかんだいわれたって、絶対に、死んじゃ
駄目だぞ。必ず生きて帰って来い。死んじゃっちゃあ、
年とったおやじやおふくろはどうなる。
それから、なるべく相手も殺すな」
少しでも多くの方に読んでいただきたいので、
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