(ネタバレ有ります。)
そのままでも好いと思いますが、やはり「2001年 宇宙の旅」の原題「2001:スペース・オデッセイ」から「宇宙の旅」をイメージしたのでしょうか?
宇宙を扱う映画と言うことで、スターウォーズのようなSF映画と思われたかも知れませんが、全く違います。
「SF(空想科学)映画」と言うより「進行中の火星探査解説映像」言えるぐらいにリアルでした。
前半のサバイバルの様子は、宇宙飛行士向け教材になりそうです(笑)
また、映画に出てくる火星での探査に使われる様々な機材、設備は、NASAでの最新機器や技術がモデルになっています(この時点でNASAの宣伝映画と言えます)。
原作小説は読んでませんが、映画の進行と共に救出方法を様々考え、アレしか無いと思った方法が採用され、かなりテンション高まりました。
一方、物資補給で使われるのが、日本の[こうのとり]でなかったのが残念です、映画の売り込みを考えアノ国の技術としたのだと思います。言わばこの部分が「空想」だったかも(笑)。
(このさきネタバレ)
もう一つ残念だったのが、ドッキングのシーン。ISSでも様々活用されたロボットアームによるドッキングでなかったこと。数cm単位での軌道計算を必要としないですむ、最新方式を採用して欲しかったですね。それに、最後の救出シーン…
…と、ここまで考えたら、監督や制作関係者は、JAXAの実績や技術を知らないのか?って気がして来た。(♯`∧´)
地球を使ってのフライ・バイ(スイング・バイ)=宇宙機の加減速と軌道修正は日本も何度も成功させており、燃料節約に使われてきた技術です。その緻密で正確な計算は、[はやぶさ]や[あかつき]を予定外のトラブルから脱出させ、中断したミッションを成功させて来ました。
昨年。米露が3回も失敗したISSへの補給は[こうのとり]5号機とH2ロケットにより達成されました。実績ある日本の宇宙補給船です。
また、[こうのとり]は油井宇宙飛行士の操作するロボットアームによりキャプチャー(把持)されドッキングしました。ロボットアームによるキャプチャーとドッキングは、ISSの研究棟[きぼう]の組立時から使われている日本の誇るロボット技術です。
そして、最後の宇宙空間での救助場面。高速ですれ違う物体(この場合は宇宙飛行士)を手で捕まえるのは絶対に無理です、まして一本の紐でなんて地上でも出来ません。
そこで、紐でなく網を使う方法を教えてあげたかった、JAXAがスペースデブリ(宇宙ゴミ)回収に提案し、開発中の技術です、漁網を使ってデブリを捕まえるようと言うアイデア。これなら、高速で宇宙空間に飛び出した宇宙飛行士を優しく捕まえられることでしょう^_^
まあ、ハッピーエンドがわかっていることもあり、楽しくツッコミを入れながら、ワクワクさせられた映画でした。
