映画評『バトルシップ』 | ヤマモト探険記

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☆☆
話題のSFアクション映画です。
ヒーロー、ヒロインとも今年注目の俳優とのことで、たしかに存在感ありました。
また、日本人としては浅野忠信の演技、役どころが気になりましたが、なかなか良かったと思います。

ただ、映画の出来映えは…

まず、オープニングは、宇宙人の出てくるSFとしては、まあまあの導入エピソードで、予告でさんざん見せられた、変形=トランスフォームのシーンとともに、緊迫感あるバトルアクションへの期待を高めるものでした。

そして、物語への導入の後は、主人公紹介へ移るのですが、

予想通りと云うか、定番の頼りないヤツの登場…が、ここで、想定外のドタバタ喜劇にはビックリしてしまいました。映画を間違えたか?と、何度も席を立とうとしてしまいました。

主人公を語るエピソードとしては、余りにハチャメチャで、頼りないと言うより、完全にありえへんヤツで、感情移入も共感も覚えませんでした。
さらに、爆発で吹き飛ばされても平気でいるなど、完璧にドタバタで、この後は、この映画はコメディに違いないと確信して見ていました。
その後の宇宙船と戦艦との戦闘シーン(この映画のウリ)でも、いつか吹き飛んだ戦艦がクルクルと空から落ちて来て、また走り出すのではと期待していました(笑)
ところどころのリアルなシーンもツッコミ所いっぱいで、いつ大爆笑シーンが来るかとワクワクでした。

しかし、この後、有り得ないほど頼りないはずの主人公が、実に真っ当で、リアルな判断を下します。
えっ、もしかして、主人公の成長のシーンなの?
おそ過ぎ。

退役して50年もたつ戦艦のありえへん展開には大爆笑して善いのか?悪いのか?
後半は白けてきって見てました。

戦艦、戦闘機はホンモノだし、CG映像の細密さ、俳優のリアルな演技、科学考証の荒さはあるものの、SF映画としては良い素材が揃っているのに、完全に演出の失敗ですね。