仙葉由季さん最期の公演です。
最初のステージは月川ひとみさんの景です。
舞台にはサーカスのテント、手前で大きな羽飾りを付けた踊り子が踊り、テントには、中で踊るピエロ達のシルエットが写っています。
サーカスのテントが開くと、カラフルなピエロ達が登場し、舞台の上が一気に、華やかになります。
その後、舞台は暗くなり、ピエロたちも蛍光色の衣装になって踊ります。一見賑やかですが、ブルーの仮面のピエロ達、どこか胡散臭く敗退的です。
今回の公演のテーマは『ROCK-ZA OF LIGHTS ~浅草の幻影たち~』です、さしづめ一景は、明治の頃にあったサーカスや見せ物小屋に重ねた幻影でしょうか。
元バレリーナ月川さんのダンスは、毎回難易度の高いポーズが次々に決まり、文字通り浅草だけでしか見られない美しいステージです。
微動だにしない見事なブリッジ、上げた脚はスカイツリーより高く見えます(笑)。
ニ景は、上田結舞さんのステージです。
牧瀬茜さんとムーランルージュを思わせる衣装で登場。二人の間にはチャプリンのようなシルエット。三人?でコミカルなダンスとショートコント。
シルエットとのダンスが終わると、今度は二人で黒いストッキングにガーターベルト、黒いブラと黒いショーツのセクスィー(笑)ダンス。
大正から戦前の浅草六区は、日本のブロードウェイと呼ばれ、日本一のエンターテイメントの街でした。
2景はそんな頃を現してるように思えました。
上田さんは初見ですが、身体の小ささを感じさせないダンスでした。
今月でデビュー1周年とのこと、お姐さんたちに負けず、大きくなっていただきたいですね。
三景は、牧瀬茜さん。
なんと、ロック座で古今亭志ん生の三枚起請を聞くとは!
これはこれは、江戸時代、浅草寺の北にあることから北国(ほっこく)とも呼ばれた吉原の御話しです。
落語では、起請文を書きまくる憎まれ役の花魁・喜瀬川ですが、牧瀬さんがやると可愛い花魁です、笑顔で騙しまくる小悪魔と言ったところです(笑)
はたして、男達を手玉にとって、しっかり朝寝をした喜瀬川でしたが・・・
ここでベッドなのですが、ロック座流ポーズベッドでもまさかのオナベでもありません。
悪夢にうなされ、良心の呵責や愛や憎しみに身悶える、喜瀬川の心を表現してる感じです。
カルネで見たJakeさんとのコラボを思い出させるベッドでした。
四景は、小嶋実花さん
幕が開くと、奥には高いビルがいくつか描かれ、手前には大きな箱が4つ置かれています。
どうやら、近代的な都市と瓦礫やゴミに汚れた街を象徴してるようです。
瓦礫の街には浮浪児や病人、娼婦に捨て猫もいます。
高層ビルの住民は瓦礫の街を忌み嫌い、警官は街の人々を追い立てます…
苦難に負けず、再生しようとする人々の物語でした。
戦後、古き良き浅草は忘れられてしまった時期がありましたが、最近は変わらぬ風情が国際的な観光地として評価されています。
浅草の復活。
そんなメッセージをも感じるステージでした。