ヤマト♪ | ヤマモト探険記

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SPACE BATTLESHIP
ヤマト

2010/12/11

36年して、ついに実写化!
番組が始まる時の「無限に広がる大宇宙…」のナレーションにワクワクし、番組最後の「地球滅亡まで後○○日!!」のフレーズにドキドキしたのを思い出します。

それまでの映画・テレビにない壮大なドラマに、胸踊り、宇宙や未来への思いを級友たちと話した、自称“ヤマト第一世代”です(笑)。

何度となく再放送され、続編も作られましたが、やはり、最初の放送時の興奮は忘れられません。
そして、今作の「日本人が初めて世界に挑むSFエンターテインメント」との宣伝文句に、第一世代としての義務感とほんの少しの期待感から見に行ってきました。


う~ん、☆☆です


ヤマト初体験の方、キムタク・アレルギーの無い方には、此までの日本映画にない迫力のCG映像と俳優たちの熱血演技と相まって、評価される方も多いのではないかと思います。

が、ヤマト第一世代とすれば、せっかく実写化したのに、アニメを超えられずガッカリするばかりでした。

かつて「ヤマトはSFではない!!」と言って協力を拒んだプロダクションがありました。

被弾し、煙を噴き上げて、ゆっくりと、惑星へと落ちてゆく宇宙船…

壮大な物語なのに、細かい所が大雑把で、放送当初から、SF少年たちに突っ込まれぱっなしでした(笑)。

今回、実写のSF映画としてどこまで、進化できたか?楽しみだったのですが……



巨大な戦艦が宙に浮くシーンは、此までの日本映画にない大迫力映像でしたが、その巨艦を納める地下ドックや波動エンジンがなんと狭くて小さいことでしょう。

宇宙空間や宇宙船の遠景は、細部まで描き込まれ見事な映像となっているものの、俳優が演技する場面となると、途端に視界は狭く、天井低く奥行きも無くなってしまいます。


ヤマトの実物大セットを造れとは言いませんが、戦艦内の艦橋や戦闘機格納庫ぐらいは、実物大で造って欲しいものです。

狭苦しいセットの中では、俳優の演技も小さくなり、実写化した甲斐もなく、リアリティも無くなってしまいます。

リアリティの追及はなにもセットだけのことではありません、ちょっとした小道具や演出にもいえます。

高性能ロボットのアナライザーをあのような形に変えたのは、現在の工学技術からすれば、アニメ版よりも未来的でリアルであったと思います。

なら、コンピューター操作にキーボードは無いでしょう(笑)
音声入力や拡張現実などの技術が、既に実用化されているのですから、少なくとも3D映像によるインターフェイスにして欲しかった。


笑ってしまったのが、惑星上での異星人との銃撃戦。
両脇に機関銃を抱えて仁王立ちで応戦するなど、“大勢の敵に四方八方から狙われてる”との危機感の無い演出で、戦闘のリアリティは全く無く、俳優が見事な死に際の演技をしても、迫るモノは何も有りません。

無限の宇宙を旅した果てに、未知なる異星人と闘うというのに、まるで何の用意もなく、裸同然の闘い方に対して「良くやった。」なんて言えません。

3億キロを旅して帰還した探査機はやぶさの例を引くまでもなく、宇宙の旅には綿密で周到な計画が為されるはず。

ワープ直後は波動砲が使えないという弱点に対し、有効な対策もなく、何度も危険なワープを繰り返すさまにも、白々しい思いが残りました。


1年に渡る放送番組を2時間に収めるには、キャラの変更から、エピソードの削除等々、原作にいろいろと手を加える必要は理解しますが、スクリーンに映らない裏の部分や細部にこだわってこそ、実写化の意味があるはず。


アニメ史に残る魅力あるキャラを切ってまで実写化しましたが、「世界に挑む」のは無謀としか言いようがありません。

DVD化されたら、突っ込み入れながら、また見るんだろなぁ(爆)