前作『舞子Haaaan!!!』は“阿部サダヲ祭り”とも言えるぐらいに、阿部さんのハイテンションに付いて行くのが大変でしたが、今回は、物語としての組み立てもよく、相変わらずのハイテンションではありましたが、余裕を持って楽しめたかと思います(笑)。
ベタベタの人情噺でしたが、大変良い出来だったと思います、
テレビでのクドカン脚本のドラマを見ていると、会話のやり取りが、落語や漫談のようだな、と思うことがあります。今回は、ホントに落語を見ているようでした。
哀しい兄弟物語に、ウソの兄弟物語を重ねたり、人情に厚い下町を強調しながら、コロリと裏切ってみせるなど。
単に笑い話を重ねるのではなく、笑いの質を、“おかしいから笑う”から“哀しいのに笑ってしまう”へ変えてしまいました。
阿部さんに羽織を着せて、高座に上げ、脚本の台詞だけ喋っててもらったら……きっと、高座から転がり落ちますね(笑)。