最初は、コメディかと思いました。
仲が良いのはわかるのだが、不釣り合いな夫婦。
ちょっと頼りない旦那さんと、変に生真面目な奥さん。
しかし、不釣り合いに見えた二人が、様々な出来事を乗り越えて、似合いの夫婦になっていく。
見終わった時、心に染みて、目がうるむ映画でした。
不釣り合い、と思うのは周囲の目であって、当人達は、互いを必要とし、自分に無いもの、欠けたものを補い、埋め合せる存在であることを感じ、信じていたのです。
法廷画家である、旦那の仕事を通して、90年代の世相を映し出していく手法は、ストーリー的にも、映画的にも大変面白いものでした。
ある出来事をきっかけに、ウツとなり、また、回復して行く奥さんの様子と、裁判が重なると、どちらが病んでいるのか?と思ってしまいます。
そして、裁判に登場する、たくさんの俳優の演技もまた、見所です。一言あるいは、一瞬しか出ない俳優さんもいたり、目が離せません。
「めんどくさいけど、いとおしい。いろいろあるけど、一緒にいたい。」
夫婦ってそういうもなんですねぇ
木村多絵とリリー・フランキー、ほのぼのして、温かい素敵な夫婦でした。