おくりびと(映画批評下書) | ヤマモト探険記

ヤマモト探険記

気の向くままの街歩き。

やっと見れました、昨年9月の公開時に見逃してしまい、暮になって上映館を見つけたものの、日に2回の上映時間に間に合わず、行けば満員…、今回も40分ほど前にもかかわらず、既に半分の席が埋まってました。

10月以降、世界中の映画祭で賞を取るなど、評価が高いこと、何より見た方々による、口コミが効いている様です。

「納棺師」と言う、超スキマ産業に働く方々のお話です。

故伊丹監督の『お葬式』を出すまでもなく、葬儀には物語があります。

納棺師は葬儀の最初の儀式を執り行い、物語の第1幕を開ける役でもあります。
別れの儀式の中でも、あの世への旅立ちの装束を整える納棺の儀は、故人の身体に触れる最後であり、死者と生者が語り合う最後の場面です。
物語の最初にして、最高のクライマックスです。

重いテーマの映画ですが、納棺師を通し見えてくる、様々な家族の様子は、最後には、観客に温かさと微笑みをもたらします。

間違いなく、2008年の傑作の1本です。