西の空には何か起こってもおかしくないくらいの怪しい暗灰色の雲壁が水平に立ち上がり、天空の薄雲は目に見える速度で東の方向へ流れていき、暖かい風は激しく辺りの電線や木々を揺らして怖い映画の一場面を体感しているような夕暮れ時、しかし雨すら降りださず、ただ暖かくこの時期には過ごし易い一夜なのであった。