「秀吉の弟」の正体①[異母兄弟か同母兄弟か] | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

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 2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』の主人公秀長は、秀吉の弟で豊臣政権のナンバー2(官位では徳川家康が上)。

 

 「公儀の事」は宰相である秀長に任されているという大友宗麟(豊臣政権下のキリシタン大名)の書状が語る通り、秀吉の名補佐役として歴史に名を残した人物です。

 

 秀長を秀吉の異父同母の弟とするのが一般的で、織田家の鉄砲足軽だった秀吉の実父木下弥右衛門の死去後、まだ幼い子らを抱えた母が織田家同朋衆(芸能集団)の竹阿弥と再婚して秀長が生まれたことになっています。

 

 ところが、姉の菩提寺が届け出た系図には、秀吉の父が天文12年(1543)正月2日に逝去したとあり、この系図が正しいなら、その3年前に生まれた秀長もまた、弥右衛門の実子であり、秀吉と秀長は父母を同じくする兄弟とみるべきでしょう。

(つづく)

 

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