まず甲陽(甲府)鎮撫に失敗して近藤勇が江戸へ帰ってきた時点に立ち戻ってみましょう。
彼は和泉橋(千代田区秋葉原)の医学所でしばらく療養した後、3月13日になって水戸街道沿いの五兵衛新田(足立区綾瀬)の名主の協力をえて、その屋敷に入って屯所としました。
そこに続々と新政府に反発する者らが集まります。
そして新選組はそこで、黒色火薬の製造に必要な材料を大量に買い入れました。
つまり武器や人員を整えているのです。
その後、五兵衛新田では手狭となったために4月2日未明、流山へ屯所を移しました。
こうみてくると勇はヤル気満々で新政府軍とやりあう覚悟だったようにみえます。
しかし、そう言い切っていいものでしょうか。
(つづく)
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