愛煙家だった伊達政宗の話に続いて、今回のテーマは「酒」です。
タバコや酒は、現代も戦国時代も変わらず、嗜好品を代表するものです。
今回は、戦国きっての”酒癖の悪さ”で有名な武将をご紹介しましょう。
福島正則です。
ご存じのとおり、彼は酒にまつわる多くの逸話を残していることでも知られています。
それだけ酒が好きだったのです。
詳細は、『週刊大衆』連載中の「日本史ミステリー」(6・11発売)におきまして、戦国武将の中で誰がいちばんの酒豪なのかを探る記事の中でレポートしています。
詳細は、同記事をご参照していただくとして、ここでは一つだけ、正則の酒癖の悪さを象徴する逸話をご紹介いたしましょう。
正則は柘植(つげ)清右衛門という家臣に、出してもいない命令を無視されたといって突然怒り出します。
もちろん、すべては酒に酔った正則の勘違いが原因です。
重臣たちは主君の怒りを宥めようとしますが、正則は清右衛門に自害を命じて、家臣らの声に耳を傾けません。
やむなく清右衛門は切腹して果てます。
そして、清右衛門の首をみて正則の怒りはようやくおさまり、やがて高いびきをかき始めます。
ところが、酔いから醒めたあと、それまでの記憶をなくしていた正則は、清右衛門がいないことを不審に思い、重臣に問いただして事実を知り、声をあげて泣いたといいます。
やはり、酒に飲まれてはいけません……。