何も予定のない朝。

ひとしきりのルーティンを終え

暇だなあとつぶやく。

目の前に、感情が

現れた。

「アー、たいくつ。」


ん?この感情は、掴みたくないな。


掴みたいのは、心地よい感情。

例えば、ワクワク。


ワクワク?


なんとなく、台所の鍋が浮かんだ。


「あのこげ、重曹でおちるかも」





沸騰したお湯に、重曹を入れて、放置。


重曹のアワアワをみて嬉しくなる。


途端に退屈からワクワクへと。



また、午後は、家族の行動にイラっ。


その時


目の前に二つの感情の球が現れた。


一つは黒いもの、もう一つは白いもの


即座に白い方を選んだ。


すると、気にならなくなった。


むしろ笑える。


もしかして、


ある程度の感情は、選べるようになったのか。


「感情は、掴むもの、流されるものではない」


師匠の言葉が腑に落ちた。