面白いというかなんというか、まあとにかくすごい勢いで一気読み。
前作「M8」では東京が大変なことになりましたが、
今回はさらにさらに日本列島あっちもこっちもどえりゃ~大変なことになっちょります。
一昨年のスマトラ島沖地震によるインド洋津波被害をうけて、
日本でもこんなひどい事になる可能性がありますよという警告の書。
小説としてはあれもこれもと詰め込んであって散漫な印象は否めませんが、
地震列島・日本に住んでる私たち、
備えというか心の準備として読んでおいてもいいんじゃないでしょうか。
高嶋 哲夫
TSUNAMI(津波) (集英社)
出版社 / 著者からの内容紹介
太平洋沿岸を巨大地震と大津波が襲う!
海溝型地震である東海地震、東南海地震、南海地震が同時発生、巨大津波が日本を襲う!
東海地震で名古屋は壊滅に陥るが、それは悲劇の序章に過ぎなかった…。
『M8』続編、迫真の震災パニック小説。
東海地震、起こる起こるといわれつつ数十年?ですよね・・・。
もう発生しないのか?
明日にでも発生するのか?
この本読むと、新幹線乗るのも怖くなりますよん。
300キロ近くで突っ走ってるときに、いきなり地震がきたら?
もしも対抗列車とすれ違ってるときだったら?
脱線、転覆、衝突、高架から転落・・・生き残れる乗客はいるのか?
もしもトンネルの中だったりしたら?(マンガであったよね「ドラゴンヘッド」だっけ)
ふー。
本書では新幹線の事故なんてのは些細なことで、
もしもこんな想定外の大地震が発生した場合の大変な状況がてんこ盛りなんです。
地震は最初小さめのが一つ、その次にまずまず大きいのが一つ、
みんなが「あー終わった。なんだ、たいしたことなかったじゃないか」と思ってたらば、
ドッカーンと巨大地震が発生するという、ありそうなパターンです。
まずは名古屋の新しい高層ビルの完成パーティの最中に大地震が発生して、
その完成したばかりのビルが倒壊。
しかもパーティに出席していた総理大臣やその辺の県知事や市長や財界の有力者なんかも一緒に倒壊に巻き込まれて行方不明(多分ほとんど死亡)。
地震だっていってんのに、津波が来るっていってんのに、
海岸でサーファーの大会とか、数万人規模のイベントで人がわらわら集まってきてたり、
東海地方の原子力発電所では、度々の地震で運転停止してて、
何個かある原子炉のうちの1個が、本社の部長のごり押しに負けて(!)、
自動で停止するシステムを解除して運転再開してたところに巨大地震が起こって、
どっか壊れて放射能漏れてんのに止まんなくなっちゃってメルトダウン寸前とか、
海の上では巨大津波で航行不能になった船多数で
原油を積んだタンカーとなんかのガスを積んだ船が衝突して爆発炎上の危機だったり、
さらにはそれが津波に乗って陸地で起こるかも知れなかったり、
巨大な東海地震が発生したのに続いて、東南海地震、南海地震も誘発され、
津波も1波、2波、3波と大きいのが次々に襲ってくるという恐ろしいことになってます。
犠牲者30万人、負傷者78万人、
経済的損失は500兆円から1000兆円。
そんな地震が実際に起こるかどうかはわかりませんが、
地震や自然災害は起こるもので、
どんなに予知の研究をしても地震を止めることはできないのだから、
国や地方も、そこに暮らす人々も、地震や災害に備えなければならない!
というのが、この著者が一番伝えたいメッセージのようです。