NHKでドラマやってるんだけど、

番宣でみただけで原作を読みたくなった私っておバカ?


井上 靖
氷壁

内容(「BOOK」データベースより)
奥穂高の難所に挑んだ小坂乙彦は、切れる筈のないザイルが切れて墜死する。小坂と同行し、遭難の真因をつきとめようとする魚津恭太は、自殺説も含め数々の臆測と戦いながら、小坂の恋人であった美貌の人妻八代美那子への思慕を胸に、死の単独行を開始する…。完璧な構成のもとに雄大な自然と都会の雑踏を照応させつつ、恋愛と男同士の友情をドラマチックに展開させた長編小説。
 



主要登場人物に玉木宏と山本太郎と鶴田真由と石坂浩二をイメージして読み始めましたが、あまりにも時代を感じる文章に戸惑いを隠せず。


くわえタバコで新宿駅のホームに降りちゃダメだって・・・とか、

ヒロインが大正生まれとか、


まあ、井上靖先生ですし、文庫版の初版は昭和38年ですから。

そういうことは気にしないで読み進めていくと、たっぷり楽しめました。



登山はしたことないです。

しかも雪山なんて、そんな寒いとこに何しに行くねん?って感じの私です。

なるほど、雪山で遭難死するというのはそういうことなのですね。


遭難した時に見つけられなければ春になって遺体を見つけにいって、

現地で警察も医者も連れてって検死してから、

山の木を何本か切って(これも許可が必要)、荼毘に付すのです。

(本の中ではそうでした。最近もそうなのかは不明)



夜中2時頃に読み終わってから、自分が死んだら?っていうのを考えてて、

「死にたくないなあ。死体になりたくないなあ」と思いましたよ。


今までの人生で切実に死にたいと思ったこともないし、

死にそうになったこともないし、

「死」というものに対して、ものすごく鈍感に生きてきた私。


そんな私にもいつか「死」は訪れるのだと、

それは明日かも知れないし、ずっと先かもしれないし、

今このまま寝てしまって、

もしかして明日目を覚まさないかもしれないんだと思うと、

涙が止まらなくなってしまいました。


隣で眠ってる娘に「毎日毎日ガミガミ怒ってばかりでごめんよ」と、

明日からはもう怒るのやめようと思いつつ(やっぱり今日も怒ってるんだけど)、

いつの間にか眠ってました。