Er:YAGレーザーによる歯周病の治療について | 阿藤歯科医院のブログ

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みなさま、こんにちは。

今日は、Er:YAGレーザーによる歯周病の治療についてのお話です

 

前回、Er:YAGの特性として水に吸収され爆発を起こすという話をしました

 

この特性を利用して

①歯石の除去

 歯石には歯周病の菌がたくさん含まれており、歯周病にならないように

 除去をする必要があります

 

 Er:YAGでは基本的に歯石の選択的除去は不可能です

 

 したがって、エナメル質上の歯肉縁上歯石の除去は歯石直下の歯(エナメル質)の蒸散が

 避けられない為、禁忌となっています

 

 一方、歯根面状の歯肉縁下歯石の場合は、歯石だけでなく汚染されたセメント質も一層蒸散

 されるため許容されています(むしろ良いと思われます)

 

 また、非常に低い出力で殺菌効果および無毒化が期待され歯周ポケットの創傷治癒に

 有利に働く可能性があります

 

②根面デブライドメント

 歯周病になっている歯の歯根の肉芽組織(ブヨブヨした肉)の除去を

 デブライドメントと呼びます

 

 エルビウムの使用で除去ができますが、SRP(根面を滑沢にする治療)のあとに行ったほうが

 良いという報告や、レーザー使用より超音波洗浄をしたほうが患者への不快感が少ない、その  

 逆も然りと、評価はまだ一定していないようです

 

 いずれにせよ、歯周ポケット内を徹底的に無菌化・無毒化できる可能性があります

 

          ハイハイ音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜音譜

 

さて、このような特徴を生かして開発された歯周病の治療法があります

それが

包括的歯周ポケット治療法 『Er-LCPT』です

 

簡単に言うと、包括的により確実に治療をし良好な治癒の達成を目指すもの

と、論文には書いてあります

抽象的過ぎてよくわかりません。。。昇天

どのような治療法なのでしょうか

 

処置の手順

①歯周ポケット内の病的根面に対して手用スケーラーにてSRPを行う

 

②歯根面へのレーザー照射によりデブライドメントおよび殺菌無毒化を徹底する

 

③手用スケーラーおよびレーザーの併用により、ポケット内壁の上皮や

 炎症性結合組織を除去する

 

④骨欠損部が存在する場合は、手用スケーラーおよびレーザーにて掻把を行い

 骨髄からの出血を促すことで細胞活性化が起こる

 (骨再生の促進効果の報告があります)

 

⑤歯周ポケット入口部分で非接触照射を行い、血液を凝固変性させることで

 歯周ポケット内の血餅の安定化と確実な封鎖を図る

 

 

 

論文では触れてませんでしたが、歯周ポケットが浅くなり良好な状態になるのは確かですが

写真によると歯肉が下がった分浅くなる(相対的に浅くなる)ようなので

手術後は根面被覆術が必要になるか、Er-LCPTを行う際に合わせて骨造成が必要になる

場合もあるのかな、と感じます看板持ちふ~む

 

以上、まとめますと

 

 

非外科的治療においてもEr-LCPT法を用いて骨欠損を徹底的に掻把することで

歯槽骨の再生と歯周ポケットの良好な治癒を得ることができる

 

さらに、無菌化・無毒化・細胞活性化を伴うレーザーを応用することで、より確実に

細菌感染や毒性物質、病的組織を除去することができ、同時にポケット周囲の歯周組織に

対して生物学的刺激効果を期待することで生体の治癒力が高まり、歯周組織の付着および

再生を向上させる術式である

 

 

 

ということです。

少し難しい話でしたが、術式を組み合わせることで最大の効果を発揮できそうな

素晴らしい方法ですねニコニコ

 

次回は、またレーザーになるかほかのお話になるか決めてませんが

また見ていただけると嬉しいです歩く

 

それではまた次回お会いしましょう