観た、『ゴジラvsビオランテ』 | Joon's blog

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支離滅裂

『ゴジラvsビオランテ』を観ました。

 

ゴジラにより廃墟と化した新宿から採取されたゴジラ細胞。

サラジア国の生物研究所ではゴジラ細胞の再生能力を植物に転用しようとする白神が、周囲の砂漠を穀倉地帯に変えるための研究を重ねていた。しかし、何者かにより研究所が爆破され、白神の娘である英理加が犠牲になってしまう。

それから5年。超能力を持つ者として精神科学開発センターで観察されている未希は、三原山の火口にいるゴジラの気配を察知する。

ゴジラ対策として、核を食べる抗核バクテリアの開発を急ぐ桐島は、帰国した白神に協力を要請。ゴジラ細胞を借りた白神は独自に研究を進める。

その後、芦ノ湖に巨大な植物が出現。それは白神によりゴジラ細胞を融合された薔薇、ビオランテだった。

抗核バクテリアを狙うアメリカのバイオメジャーが三原山に仕掛けた爆弾が爆発した事でゴジラが復活。自衛隊の奮闘も虚しく、ゴジラはビオランテを目指して海を越える……といったお話。

要約すると、人々がゴジラ細胞を巡る中、ゴジラと細胞を分け合ったビオランテが激突する話です。

 

シリーズ第17作。

このところ当ブログではゴジラシリーズに関する記事が多いですが、いつか観るかもしれないという程度の理由で録画しておいたものを消化しているにすぎず、面白くてハマッたから全作を観るぞ!というほどのテンションではありません。

BSではよくゴジラ特集とか銘打って集中的に放送する事がありますが、どこも歯抜けorまたこれ?的なものばかりなんですよね。昭和ゴジラはもう少し観てみたいんだよ。

 

基本的にゴジラシリーズは前作との連続性が薄めですが(どれから見ても楽しめる作風とも言える)、滅茶苦茶にされた新宿とか、ゴジラが復活する場所とか、スーパーXとか、今作は割と前作=『ゴジラ』(’84)との繋がりが随所にありますね。

そこまでやるなら、前作のキャラを一人二人くらい再登場させて欲しかったなぁ。前作のヒロインと瓜二つのキャラは登場しますが…。

 

それはさておき、本作の話。

確か本作はシリーズ史上としても評価が高いという話をチラ見した気がしますが、少なくとも俺ッチが観てきたゴジラ作品の中では面白い部類に入ると思えます。

政府がゴジラという災害の対策に追われる姿を映すのがシリーズの定番&王道なのかもしれませんが、本作ではそれが薄めで、庶民に近い位置にいる人々のドラマを多めに描いているのが好きです。

今の時代に見れば少々クサいものの、光る台詞が多めなのも良いですね。

 

峰岸徹さん演じる自衛官の権藤は、おそらく本作が好きという人の多くに人気がありそうなキャラです。

いちいち人に食って掛かっては皮肉や軽口ばかり叩いていますが、口だけではなく自分で動く体育会系の人。だからって単なる体力バカではなく、判断力もあってベテラン感が漂う、女性よりオジサン受けしそうなキャラです(笑)。

今作限りの登場じゃ勿体ない話ですが、だからこそ強烈なインパクトを残したんでしょうね。

「薬は注射より飲むのに限るぜ、ゴジラさん!」

これにシビれた人は数知れないはず!

 

同じく自衛隊の、作戦の指揮を執る黒木も良いキャラですね。

あくまで勝利にこだわり、そのためなら多少の犠牲もやむを得ないものと考え、即断即決するのが潔い。

人の命がどうとか言い出して逡巡するような、この手の作品で一番かったるい展開を廃するために存在するキャラとも言えます。

演じる高嶋政伸さんの、クソ真面目一辺倒な芝居も緊張感を与えます。

 

他の作品は1度見ればもういいやって感じですが、今作は魅力的なキャラが多く、何度か見たくなる作品でした。

人間ドラマの方が面白いので、ゴジラさんはもっと休んでていいですよ(笑)?

 

根っこを辿れば、ゴジラは人類が開発した核兵器により誕生(進化?)しました。

そんな人類の忌まわしき創造物の申し子でもあるゴジラを滅ぼそうと、あの手この手を尽くすのもまた人類。本作では核を食べるというバクテリアの開発に成功、これを以てゴジラの対抗手段としようとします。

核を無効にできるのであれば、それはある意味、核にも勝る兵器を生み出せる可能性もあり得るということです。

この辺は淡泊に語られる程度に抑えられていますが(あんまやりすぎても説教臭くなるし)、こういった兵器開発競争が続く限り、ゴジラではない新たなる脅威が生まれるのも必定なんですよ。

こっちに比べれば、同じ兵器とは言え、遥かに次元が低いところにあるのが安心させてくれるんだよ、スーパーX(シリーズ)君…。

 

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