観た、『怪獣大戦争』 | Joon's blog

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支離滅裂

『怪獣大戦争』を観ました。

 

金星の13番目の衛星、X星の探査に向かった富士とグレン。

X星に着陸した二人はX星人に遭遇。怪獣0により地上は荒らされ、X星人は地下に生活の場を求めるようになったという。その怪獣0とはキングギドラだったのだ。

X星人の統制官はキングギドラを倒すため、癌の治療法を教える代わりに、地球のゴジラとラドンを貸して欲しいと願い出る。

地球に還った富士とグレンはX星人とのやり取りを報告。政府はX星人の友好的な姿勢を歓迎し、X星に連れらたゴジラとラドンはキングギドラを撃退する。

X星の問題も解決し、返礼である癌の治療法を収めたテープを再生させてみると、そこにはX星人が地球を支配しようとする宣言が録音されていた。さらにX星人は、電磁波で意のままにコントロールできるようになったゴジラとラドンを地球に運び込み……といったお話。

要約すると、ゴジラたちを使って地球を支配しようとするX星人との戦いを描いたお話です。

 

ゴジラシリーズ第6弾。

前作『三大怪獣 地球最大の決戦』で、ゴジラとラドンがキングギドラを敗退させた実績をX星人が知っていたあたり、ゴジラシリーズは意外に連続性があるのかなとも思わせますね。モスラは度外視だったみたいだけど(笑)。

 

今作あたりになると、シリーズ序盤にあったゴジラの、人間の独善に対する怒りを体現するかのような姿はありませんね。説教臭いメッセージもなければ観終えてモヤッとする事もない、完全な娯楽作になりました。

かと言って、ガキ向けに成り下がったわけでもなくドラマ部分も多めに描かれます。子供はこういうのが退屈ですし(笑)。

胡散臭くはあるけど(ああいうルックスだし…)、なかなか真意を見せないX星人は地球に対して本当に友好的なのでは?というスリリングな展開は、むしろこのまま怪獣を出さないで決着をつけて欲しいと思うくらい(笑)。

 

統制官を始めとする男のX星人はあんな感じで胡散臭いですが、地球へのスパイとして忍び込んだ女性のX星人はいいですね。古い洋画に出てきそうな、シンプルながらもミステリアスで今の目で見ても秀逸なデザインです。この頃の日本でも、あんなデザインができたんだなぁ。

波川を演じる水野久美さんと言えば、本作に登場した際の姿がパブリックイメージと化しているように思えますが、本作を観ればその理由も頷けます。グレンよ、惚れるならこっちだろう?

 

未見なので何とも言えないけど、近年のゴジラはシリアス&リアル路線に走りすぎているように見えます。まぁ、それこそが本来のゴジラシリーズにあって欲しい作風なんでしょうが。

そんなゴジラが無慈悲に暴れ回し破壊の限りを尽くすのを知ると、ゴジラを意のままに操れるX星人とは仲良くしといた方が良かったんじゃないかなと(笑)。

 

音楽はお馴染み伊福部昭さん。

思い出すのは定番の『ゴジラのテーマ』ですが、重厚感のあるあちらとは打って変わった本作のオープニング曲でもある『怪獣大戦争マーチ』は軽快さが良いですね。

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変身ヒーローのテーマ曲みたいな勇猛さを感じます。

 

今作においても特撮シーンの力の入れようには脱帽です。広々としていてるだけでなく緻密に作り込まれているセットには見入ってしまいます。

今作を観て思ったのは、それに加えて操演がリアルである点。

例えば車両に関して、いくらミニチュアが精巧であっても挙動がおかしければ偽物と見敗れてしまいますが、まさか今のは本物?と思うカットもチラホラどころか、けっこう多いんですよ。

全ての特撮シーンは本物らしく見えるように労力を使うものですが、その中でもミニチュアの動かし方=操演はかなり重要な仕事である事を思い知りました。

見た目を小綺麗にできても、動きがチャチぃなんて事はCGを使えるようになった現代でもままありますからね。

 

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