観た、『モスラ対ゴジラ』 | Joon's blog

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支離滅裂

『モスラ対ゴジラ』を観ました。

 

大型台風が通過した翌朝、静之浦の漁村の沖に巨大な卵が漂着する。

毎朝新聞の酒井は、カメラマンの純子と生物学者の三浦と共に村の取材に向かう。卵は莫大な金でハッピー興業の熊山が買い取ったという。

熊山と資金援助をする虎畑が卵を見世物にした観光施設の建設を計画する中、双子の小美人が現れ、卵の返還を求めるが金に目が眩む二人はこれに応じない。

その後、小美人は酒井たちにも願いを乞う。話を聞くと、あの卵は原水爆の実験場にもなったインファント島の守り神モスラの卵だというのだ。しかし酒井たちの力ではどうにもできず、落胆した小美人は密かにやって来ていたモスラの成虫と共にインファント島に帰る。

その頃、倉田山干拓地にゴジラが出現、破壊を続けながら名古屋に向かう。

酒井たちはゴジラ退治のためにモスラの力を借りようとインファント島に飛ぶが……といったお話。

要約すると、人間の願いを聞き入れたモスラがゴジラと戦う話です。

 

ゴジラシリーズ第4作。

未見ながら、そういえばモスラは『モスラ』という単発作品として既に登場していたんですね。

今作でゴジラと共演するのは、今風な言い回しをすれば東宝怪獣ユニバース企画の一端でもあるんでしょう。元々は別世界だった作品間の垣根を超えた共演に熱くなるのは、昔も今も変わらないんですね。

 

本作を観て思うのは、モスラというキャラの意外性。

得てして怪獣映画に登場する怪獣は、能率やコストを鑑みた上で、人間が中に入って演じる着ぐるみを使うのが前提にあると想像します。

が、周知の通りモスラは蛾をモチーフにした怪獣で、中に人間が入る余地はありません。

つまり燥演によってでしか動かせないキャラで、その手間は計り知れないように思えます。

技術的に至らない点は多々見受けられるものの、新しいキャラを創造するためにこれを実現させようとする心意気には拍手です。怪獣の定義を広めてくれた功績でもあるしね。

意外と言えば、成虫モスラが敗れ、幼虫のモスラが名誉挽回(?)する展開も面白いですね。あんな芋虫でも相手の攻撃を避けて反撃に転じるような、戦術的な知能(と反射神経)があるのは驚けます(笑)。

 

♪モスラ~やっ、モスラ~♪という歌は断片的に聞いた事がありますが、ようやく元ネタである本作を見た次第。

正確には♪モスラ~ヤッ、モスラ~♪という、非日本語の歌詞だったんですね。

 

そしてゴジラ作品と言えば現代社会への警鐘。別名、説教臭いメッセージですね(笑)。

今作でも人間の醜い部分を映し出しますが、もう半世紀も前の作品のメッセージが令和の現代にも通じてしまうんだから、やっぱり人間というか人類はまだまだ進歩が足りないんです。

人間同士が信頼し合える世の中を作る事がモスラやインファント島の住民への返礼なんだという終わり方は身がしまりますね。

 

下積み時代なんかとっくに終えたベテラン俳優が多々出演しているのがゴジラシリーズの魅力の一つに思えます。

チャチな特撮シーンに目をつむれるのは、そんな方々の大マジな芝居のおかげでもあるんです。

昨今の特撮映画(主にニチアサの変身ヒーロー作品)のような大人も楽しめる子供向け作品ではなく、子供も楽しめる大人の映画といってもいいんじゃないかな。

 

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