近頃はどうも気分や体調の都合で映画を観る気にならないんですよ。すぐ眠くなっちゃって。
けど、休日には必ず映画を観るという、どうでもいいライフルーチンを課している以上、何かしらの作品を観るなら尺の短い作品がいい。
そこでどうしても若大将シリーズになっちゃうんですよ(笑)。
総じて尺が短め=おおよそ90分、長くて110分なので気軽に見れるのも若大将シリーズの魅力の一つです。
――という事で、『南太平洋の若大将』を観ました。
日本水産大学の航海演習に参加していた雄一たちは、ハワイへの上陸許可が出た事に大喜び。ハワイで日本料理を提供する京屋で食事をする中、雄一は男に絡まれ困っている澄子を救い出す。澄子はパンナム航空のスチュワーデスだった。
航海を終えた雄一らが帰国して数日後、京屋のオーナーである有田とその家族が来日。雄一の父や祖母らと家族ぐるみで付き合うようになり、雄一もまた有田の孫娘である美奈子と親しくなる。フライトを終えて日本に戻ってきた澄子は、そんな二人の姿を見掛けてしまう。
京屋でもすき焼きを出したいという有田の願いで、調理の指導を名目に雄一は再びハワイに向かう。そこで再会した雄一と澄子は、お互いに想いが通じ合っているのを知りつつも距離はなかなか縮まらない。
そして、雄一が思っているのは美奈子だと思い込んだ澄子はタヒチへと身を隠す。それを知った雄一はタヒチに向かうが、そこに澄子の姿はなく……といったお話。
若大将シリーズ第10弾だけあってか、またも海外ロケ、またもハワイ(とタヒチ)ってんだから豪華ですね。
主役の面々が日本とハワイを何度も行き来する、いつもに増してブルジョア層のお話なんだなと。澄ちゃんはスチュワーデスという職業柄、青大将はパパ資金でどうにかできるけど、若大将の資金源はどこから(笑)?
そういえば、京屋のオーナー有田の家は『ハワイの若大将』で使われた物と同じに見える既視感…。
タイトルからして、いつも以上にマリンスポーツを堪能する若大将を見せると思いきや、今作の雄一は柔道部員という意外性。
意外と言えば、今作で雄一が通うのは毎度おなじみの京南大学ではなく、日本水産大学というストレートな名前の大学。クライマックス、柔道の決勝戦では京南大学の応援旗も出てたのに…。
前作に次いで、今作でも柔道のシーンは吹き替えが多めでガッカリです(引きの画が多いので、もしかしたら本人かもですが)。
これと逆に、海に出れば加山さんの独擅場で、水上スキーだのサーフィンだのスキューバダイビングだの、これらは全て本人が演じているのが分かります。こうでなくちゃ。
中でも美奈子とのスキューバを楽しむシーンでは海底にある沈没船を発見、しかもサメが現れるという、若大将シリーズには珍しい緊張感に富んだシーンがあるのも見どころです。
つくづく、若大将シリーズはハラハラするようなスリリングなシーンが皆無なのも実感します。
ここ数作において澄子のキャリアウーマン感が強まってから、雄一が”澄ちゃん”ではなく”澄子さん”呼びになっているのはちょっと寂しいですね。
澄ちゃんの方も今作あたりになるとずいぶん厚かましくなってきていて、一途に雄一を思ってるのは分かるんだけど、独占欲が強すぎる重い女になっています。青大将を騙すなんてお手の物になってるし(笑)。
雄一が美奈子と結婚すると思い込んだ澄子。心にもない祝福の言葉を言うために美奈子に会いに行くんですが、そのためだけに日本からハワイに行く(!)ってんだから、ずいぶん嫌味な行動を取るようになりましたね。渡航費用に関しては社割があったにしても、ずいぶん暇なのかよっぽど妄執に駆られているのか(笑)。
まぁ、最終的には雄一が澄ちゃんを選ぶのが通例行事ですが、今作で澄ちゃんにやきもちを焼かせる美奈子でもいいんじゃない?と。
個人的に、美奈子は澄ちゃんにとってシリーズ最大のライバルだと思ってるんですが…。
これは演じている前田美波里さんの魅力によるところも大きいんですが、何しろ健康的! 気さくでオープンなキャラに加え、日に焼けた肌やグラマラスなスタイル、そして雄一と一緒にダイビングも楽しめるのが大きい。
雄一にはむしろTHE南国の美女!って感じの美奈子の方が似合っていると思うんですよねぇ。
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