『帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ』を観ました。
大晦日を迎えた特命部に響く警報。しかし、エネルギー反応はヴァグラスのものではない。
出動した特命戦隊ゴーバスターは、正体不明の存在である大魔王アザゼルに遭遇。アザゼルの戦闘力は凄まじく、苦戦の果てにゴーバスターズは全滅してしまう…。
死んでしまったニックは神様と出会い、どんな望みも叶えられるという神様に願う。自分らやゴーバスターズたちを何事もなかった13年前の世界に戻して欲しいと…。
ニックの望みは叶えられた。しかし、そこはヒロムやリュウジは農業高校の教諭として、ヨーコは生徒として、マサトは用務員として働く、特命戦隊が存在しない世界だった。
そんな中、キカイ帝国メカリアスが来襲。この時が来るのを予測していた黒木教頭はメカリアスに対抗する戦力として、ヒロムらを動物戦隊ゴーバスターズに任命する……といったお話。
スーパー戦隊シリーズの番外編には夏映画やVSシリーズ、そして帰ってきたシリーズがありますが、特に帰ってきたシリーズは“もしも”の世界というか、テレビシリーズ=本編とは全くと言っていいほどリンクしない作風です。
『侍戦隊シンケンジャー』のそれと同様、本編がシリアスな作品ほどコメディ要素が強くなる傾向があるようで、本作も同様です。
特に、キャストの方々がおフザケ全開で喜々と演じている(ように見える)のがいいんですよね。
タイトルにもある動物戦隊ゴーバスターズは、本作の見どころでしょう。
まぁ、平たく言ってしまえば、特命戦隊が発足されなかった世界におけるゴーバスターズです。本編で描かれた13年前の事件がなくても、どのみち侵略者はやって来ていたんですね。
やってる事は特命戦隊のそれと大差がありませんが、動物戦隊の構成員のキャラが濃ゆいんですよ。
本編ではクールでドライ、かつポーカーフェイスが常だったヒロムやリュウさんあたりはリアクションがいちいち暑苦い上に、変顔上等です(笑)。ここに黒木司令官=クロリンまでも加わっちゃうんだから、もうハチャメチャ。大マジな役を演じていた反動なんでしょうかね(笑)。
動物戦隊(世界)のパートは、いかにもスパ戦あるある風のパロディです。
本作の脚本を担当した下山健人さんは、かつて東映不思議コメディ枠でやりたい放題やっていた(笑)浦沢義雄さんに師事していたせいか、あれに通じるような不条理でヘンな世界観です。
荒川稔久がやりそうな、見ている方が恥ずかしくなるような真似(笑)をさせないがいいんですよ。キャストが楽しそうに演じているのは、そのおかげなのかな?
何だかんだで歴史は変わらず、特命戦隊はこの世に残り、動物戦隊は存在しなかった事になります。
まさか4年後に向けての伏線だったとは誰が気付けよう…(←違う違う)。
バディロイドの声を当てている3人の顔出し出演も、ファンサービスにも富んでいて嬉しいですね。
グリーンヒポポタマス=道明寺アツシやブラックピューマ=黒木タケシを演じた、一時期よく名前を聞いたホットな2人が出演しているのも、うん、まぁ…。
俺ッチは作品を通せば別に何も感じないので、バスターズの10YEARS AFTERやってくんないかなぁ……くんないよな…。“特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ジュウオウジャー”でもいいので…。
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Blu-ray版は『帰ってきた天装戦隊ゴセイジャー』を同時収録。
帰ってきたシリーズは見ている人へのラストメッセージも定番なので、これも必見です。