恐らくは唯一無二であるアニメ版仮面ライダー、『仮面ライダーSD』を観ました。
3頭身にデフォルメされた仮面ライダー達が、悪の組織グランショッカーと戦うコメディ風味の強い作品です。
ただ……フツーに面白くないです(笑)。
本作がOVAとして発売された1993年という時代背景を鑑みれば、色々と時代遅れの感が否めません。
個人的には、川浪葉子さんがヒロインを演じているのも10年遅れのキャスティングに感じます(笑)。個人的には川浪さんは、ココナが最高。
ちなみに、本作は
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仮面ライダー:真・ZO・J Blu-ray BOX
16,200円
Amazon |
の、映像特典として収録されています。
ビデオテープ時代の作品で、DVD化もされなかったため、今回こうやって特典扱いながらもBlu-ray化されるのは快挙!との事。
確かに、後世への資料的な価値はあっても、その程度。作品を見てみれば、DVD化が実現されなかった理由も容易く想像できるはずです(笑)。
まぁ、ライダーが全員登場するというオールスター要素があるのは良いんですよ。
それがライダー側だけでなく、敵に関しても大幹部クラスが集合しているのは、(当時としては)実写版にはありそうでなかったシチュエーションとして、つかみはオッケーなんです。
サブタイトルもあるし、本作はパイロット版というか第1話として作られたのかな? であれば、今回は顔見せ程度だったキャラも、2話以降にでも活躍の場があったんでしょうね。
基本的にヒーロー作品の多くは勧善懲悪。かつ、カタルシスが不可欠です。
東映であれば、その辺は骨身に染みているくらい熟知しているはず。
ヒーローがデフォルメされた上に、作風としてもコミカルになってしまえば、カタルシスなんかクソ食らえってなモンですよ(笑)。
まぁ、あのビジュアルで、どこまでカッコ良く見せられるかという実験的な作品だったのかもしれませんが……もちろんそんな計算はしていませんよね(笑)。
脚本は井上敏樹。
敵地に向かうRXの前に立ち塞がるシャドームーンが、わざと見逃してやるあたり、井上イズムが表れていますね。
まぁ、遥か遡ればハカイダーに行き着くんでしょうが、井上脚本はアンチヒーロー側にカッコ良さを感じさせます。
本来なら、子供に向けた作品において悪の美学(とかニヒリズム)を描くのは、年端も行かない人間の道徳心を揺らがせるという意味で邪道だと思うんですが…。
そういう意味で、もう東映ヒーロー作品には戻ってこないで欲しいんです。ついでに言うと、雑だし(笑)。
まぁ、仕事でもない限り、未見だからって、慌てて見るような作品でもないと思います…。