- 80対20の法則を覆す ロングテールの法則/菅谷 義博
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インターネットを駆使したマーケティング、というか自動化した仕組みの提唱を行っている菅谷氏ですが、最近は「日本人にはもう売るな」などの本も出していて、海外への販売なども強く推奨しています。もちろんこれも仕組みとして可能になってきたからだとういうことだと思いますが・・・。
この本は3年も前に出た本ですから、インターネットの世界で言えばやや古い本になるのかも知れませんが、実にいいことがいっぱい書いてあります。もちろんすでにマーケッターとして実績をバンバン上げている人にとっては物足りないかも知れませんが、「知識として知ってはいるんだけど・・・」というタイプの人などにとってはおさらいの意味もありながら、気づきも得られるということで、お薦めの書になります。
タイトルは「ロングテール」ということで、アマゾンドットコムなどの事例も出てはいるのですが、基本的にはこの戦略がとれる商材、とれない商材などもあるという話の中で、「着メロ」はロングテール商品とは言えない、といいます。「え、着メロはロングテールじゃないの?」と僕自身は思ったのですが、みなさんはどうですか?
通常言われている80対20の法則は、パレートの法則といわれるもので、
・20%の商品が8割の売上を作っている
・2割の社員が8割の売上を作っている
・顧客の20%が売上の8割を作る
というものです。ロングテールは、80対20の法則を覆すということで、8割の商品の売上が2割の商品の売上よりも勝るということになるのですが、下記のような場合ロングテールの法則は働かないと著者は言います。
1、マスマーケティングの影響
2、特定商品、顧客への営業活動の集中
3、商品、顧客数の少なさ
このうち、着メロは1のマスマーケティングの影響をモロにうけて、実際は2割の商品が群を抜いて売れることになるというのです。確かにそういわれて見ればポピュラー音楽というのはニッチとは相反するものですし、以外とニッチな音楽は着メロにもなく、3にも当てはまる部分がないこともないです。
この本の面白いところはロングテールの話にとどまらず、ネットを生かした仕組みづくり、あるいはネットに限らず営業活動がうまくいく自動化の話をわかりやすく書いているところです。「ロングテール?知ってるよ!」とか「うちはロングテール商品じゃないから・・・」という方でも「そうか、これ使える!」という部分がある本です。
中身を見てみると、タイトルに書かれている内容以上(というか期待を上回る内容)が書かれていると得をした気分になりますね。ちなみに続編も出ています。