今すぐ始める社員を成長させる仕組みづくり | 想像と創造を膨らませるビジネスチューインガム

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昨日は、株式会社多摩研 代表の松本順市氏の講演を聴いてきました。


すべての社員を成長させる仕組みをつくらなくてはいけない、というのが講演の目的で、そこから人事制度、賃金制度への発展を考えていく、というものでした。


社員の成長、これを軸に考えていけば、不平・不満が出たり、動機付けの問題が出たりすることはない、というのが松本氏の主張でした。そうなんだろうか、という思いで聴いていましたが、なるほどそういう形をとることで、解消されるのか、と非常に勉強になりました。


まずいろいろ人事面、つまりは成果ということを評価するにあたってやってはいけないことをやっている会社が多いということ。その例に挙がっていたのが、こういった特徴の会社は社員のやる気をなくしているというもの。


1、目標達成率で評価している → 目標を低く設定したものが評価される

2、評価のフィードバックをしていない → やったことに対する評価をしてPDCAを連鎖させなければいけない

3、相対評価をしている → 比較では全社員が優秀にならない

4、即戦力で中途社員を採用している → 協調性がない場合があり、組織風土を大事にしない

5、売上高を成果にしている → 売上高=顧客数×客単価。どちらかを成果に対象にすべき

6、定年退職までのモデル賃金がない → 成長していった場合の前提条件付で提示すべき

7、昇格基準が明示されていない → 経営者の頭にあるものを明示化する(職能資格制度は不要)

8、昇給・賞与の決め方があいまい → 経営者が考えているものをリスクのない形で見せる

9、評価と賃金が一致していない → 60%~70%の会社が一致していない

10、社内競争で喚起しようとする → 社内で勝つ勝たないをやると協力を怠る


とこういうことですね。こうやって見ると「なるほど」と思うこともあります。松本氏が鮮魚小売業の「魚力 」というところを東証二部上場まで持っていたのはこういったところを解決して、社員の不平・不満やモチベーション低下を防いだから、というところがあるので、全てではないにしろ、認めざるを得ないところがありますね。


そしてマネジメントにおいてもダメな会社には特徴があるということで、


1、マネージャーを売上高で評価している → 部下の成長で評価する

2、マネージャーが具体的に何をしているか不明である → どんな指導をしているか

3、業績結果で部下を叱っている → 結果はマネージャーの責任

4、マネジメントサイクルを回していない → フィードバックをする

5、マネジメントの成果があいまい → 成長点数をつけて部下を成長させる

6、優れたやり方を共有していない → 成果にたまたまはないので原因調査と共有が必須

7、部下が上司の指導に感謝しない → 感謝される仕組みをつくる

8、命令系統が守られていない → 上司は一人で管理者に任せる

9、やるべきことが常に増えている → やれる仕事しかしなくなる。変更はOK。

10、やることがバラバラで仕組みがつくられていない → やり方が違うのであれば一人の部下しか持てなくなる。


こうした点を改善していくことで、会社に活気が出て、誰も人事制度や賃金制度について不平・不満がなく、仕事に対するモチベーションも上ってくるということです。


「成長」という言葉も非常にあいまいだとは思いますが、それぞれの会社、経営者が考える「成長」というものを明確にし、それを実現していくことを明確にすることによって評価するということをすれば、業績が上ってくるというもので、もちろんその成果の中には売上高に関係する買上点数や平均単価も入っていますし、知識や管理、勤怠などにそれぞれ成長点数をつけて総合的に評価するというものです。


松本氏いわく、人事制度を変更するというと、必ず反対の声が上ったりするものだが、明確な道筋が見えることで誰も文句を言わなくなる、ということ。人事制度を変えていくということは実はワクワクすることなのだ、ということで、そこから会社全体の成長も始まるということのようです。


また人事制度をつくるとなると、コンサルタントなどを雇ってしまって10年度でも使えるような万能のものを作ろうとする傾向が見られますが、これは絶対やってはダメ、ということ。いま経営者が考える、こうした方がよい、ということだけを盛り込んでおけばそれがなりたい会社の人事制度ということで、はじめて機能しはじめる、といいます。


確かに作るだけ作っていうことが起こらないようにするには、こうした「想い」の部分を人事制度に盛り込んでいく必要があるのだと実感しました。



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