イノセントゲリラの祝祭 海堂尊 | 想像と創造を膨らませるビジネスチューインガム

想像と創造を膨らませるビジネスチューインガム

ビジネス、ランニング、とにかく取り組んでいること、何かの糧になる?ことについて書き綴っています。多少の個人的な見解と偏見はご了承ください!

イノセント・ゲリラの祝祭/海堂 尊
¥1,575
Amazon.co.jp


「このミス」受賞作家、海堂尊の田口・白鳥シリーズの最新刊、やっと読みました。


田口・白鳥シリーズでは「チーム・バチスタの栄光」、「ナイチンゲールの憂鬱」「ジェネラル・ルージュの凱旋」に続く第4弾になります。少し前には「ジェネラル・ルージュの凱旋」が封切られてましたが、海堂作品はどれも人気が高く、医療ミステリー系で十分な存在感を確立していますね。


とはいっても「チーム・バチスタの栄光」は確かにミステリーって感じではあったのですが、「ナイチンゲールの憂鬱」はちょっとオカルトっぽいところがあり、「ジェネラルルージュの凱旋」はまだ多少ミステリアスなところはあったのですが、どちらかというと、現在の医療体制にメスを入れるというようなタッチが出ていました。


今回の「イノセントゲリラの祝祭」はまさにそうした面が前面に出ている作品で、ミステリアスなところはほとんどないです。話の流れ的にはブルーバックスで書かれた「死因不明社会」をさらにストーリー仕立てにして作り上げた作品という感じがするので、以前の「チーム・バチスタの栄光」的な内容を期待している場合はちょっと物足りないかも知れないです。


死因不明社会 (ブルーバックス 1578)/海堂 尊
¥945
Amazon.co.jp


海堂尊の作品はこのシリーズだけがつながっているわけではなくて、ほぼ全ての作品が時系列は別にして、リンクしているところが、どの作品を読んでも次に読んだときに、「あ、この人物、前も出ていた」的なアハ体験をが起こるので、ストーリーに入っていきやすいところありますね。


すべてをシリーズ化していくというのはファンが増えると、飽きられる恐れもありますが、筆力があればずっとひきつけていられるいう魅力もあります。もちろんこれは海堂作品だけではなく、東野圭吾もそうですし、恩田陸もそうです。


漫画の世界ではずっとストーリーが紡ぎ続けられるということが当たり前で、そういう流れが文芸作品にも来ているのかも知れません。ディアゴスティーニのコレクションシリーズではありませんが、こういう連作的な仕掛けはビジネスでも有効活用できそうな気がします。



ところで、田口・白鳥コンビの配役ですが、白鳥を映画では阿部寛、テレビでは仲村トオルが演じていました。白鳥の慇懃無礼なところをよく表現していましたが、原作では白鳥は小太りで背丈もそれほど高くなかったのですが、かなり違いますね(そんなこといったら田口は男性なのに映画では竹内結子がやっていると突っ込まれそうですが・・・)


もっとも白鳥のイメージがかぶるのは、奥田英朗の「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」などに出てくる神経科医師・伊良部になるのですが・・・どうでしょうか。


イン・ザ・プール (文春文庫)/奥田 英朗
¥530
Amazon.co.jp

空中ブランコ (文春文庫)/奥田 英朗
¥500
Amazon.co.jp

町長選挙 (文春文庫)/奥田 英朗
¥530
Amazon.co.jp