2022年2月に始まったロシア・ウクライナ紛争以来、プーチン大統領が西側ジャーナリストに応じるという大ニュース。世界的に有名なFOXニュースの元看板キャスター、タッカー・カールソン氏と一対一のインタビューはどのようなものだったのか誰もが大いなる関心を寄せている。

NHKは、このことについて、昨日の19時のニュースでこの事実についてちらりと報じたが、その内容についてはほとんど伝えない。ニュース9ではゼレンスキー大統領が総司令官交代を発表したことについて詳細に伝えていたが、このインタビューについては、完全にスルーした。

 

 



インタビューは、2時間の長時間にわたって行われ、その内容についてはここに全文翻訳されている。

 

 

 


プーチン大統領は、冷静に言葉を選びつつ終始一貫して理詰めに話している。ロシアとウクライナの歴史から始まって、2014年、ウクライナでのクーデターがこの戦闘の全ての始まりであること。このクーデターはネオナチズムの台頭であるから、ウクライナの脱ナチス化が目的である、と。


《 戦闘の目的 》

〇プーチン

2008年、ウクライナにNATOの門戸が開かれました。2014年にはクーデターが起こりました。クーデターを受け入れない人々を迫害し始めたのです。まさにクーデターでした。彼らはクリミアの脅威を作り出しました。彼らは2014年にドンバスで民間人に対する航空機や大砲の使用による戦争を開始しました。これがすべての始まりです。ドネツクを上空から攻撃する航空機の映像があります。彼らは大規模な軍事作戦を開始しました。そしてまた別の作戦。失敗すると、次の作戦の準備を始めました。これらすべては、この領土の軍事的発展とNATOの門戸開放を背景にしています。

彼らは軍事行動の準備も始めました。2014年に戦争を始めたのは彼らです。私たちの目標はこの戦争を止めることです。2022年に戦争を始めたわけではありません。これは戦争を止めるための試みです。

NATOは拡大しないと約束された1991年から、ウクライナを中立国と宣言したウクライナ国家主権宣言によってNATOの門戸が開かれた2008年まで遡ろう。NATOと米軍基地がウクライナの領土に出現し、私たちを脅かし始めた事実に戻ろう。2014年のウクライナのクーデターに戻ろう。


●タッカー

無知を許してください。脱ナチス化とは何ですか? それはどういう意味ですか?

〇プーチン

今私が話したいのはそのことです。非常に重要な問題です。脱ナチ化。独立後、ウクライナはそのアイデンティティを模索し始めました。まあ、直観主義者ならね。そして、ヒトラーに協力した偽りの英雄たちの上に、このアイデンティティを構築する以外に思いつかないのです。

第二次世界大戦が勃発したとき、この極めて民族主義的なエリートの一部は、ヒトラーが自分たちに自由をもたらしてくれると信じてヒトラーに協力しました。ドイツ軍、さらには親衛隊は、ヒトラーの協力者たちにポーランド人とユダヤ人を絶滅させるという最も汚い仕事をさせました。

ポーランド人とユダヤ人、そしてロシア人の残虐な大虐殺。これを指揮したのは、よく知られた人物、バンデラ、シュケヴィチです。国民的英雄にされたのはその人たちです。それが問題なのです。ナショナリズムやネオ・ナチズムは他の国にもあると、私たちは常に言われています。しかし、私たちはそれを根絶やしにします。そして、他の国々はそれらと戦っています。

しかし、ウクライナは違います。ウクライナでは、このような人々が国民的英雄になっています。その人たちの記念碑が建てられています。彼らは国旗に描かれています。ナチスドイツのように、松明を持って歩く群衆が彼らの名前を叫びます。ポーランド人、ユダヤ人、ロシア人を絶滅させた人々です。この習慣を止め、この概念の普及を防ぐ必要があります。

私は、ウクライナ人は一つのロシア民族の一部だと言っています。「違う、われわれは別の民族だ」。わかりました、彼らが自分たちを別の民族だと考えるなら、そうする権利があります。しかし、ナチズムやナチスのイデオロギーに基づいてはいけません。

今、ネオナチズムと非ナチ化について質問されましたね。ウクライナの大統領がカナダを訪問しました。この話はよく知られていますが、西側諸国では黙殺されています。カナダ議会は、第二次世界大戦中にロシア軍と戦った人物を紹介しました。

第二次世界大戦中にロシアと戦ったのは誰ですか?ヒトラーとその共犯者です。この男はSS隊に所属し、ロシア人、ポーランド人、ユダヤ人を個人的に殺害していたことが判明しました。米軍はウクライナのナショナリストで構成され、彼らはこの汚い仕事をしました。ウクライナの大統領は、カナダの全議会とともに立ち上がり、この男に拍手を送りました。こんなことがあり得るでしょうか?ちなみにウクライナの大統領自身、国籍はユダヤ人です。

●タッカー

私が聞きたいのは、どうすればいいのかということです。ヒトラーが死んで80年。ナチス・ドイツはもう存在しません。その通りです。あなたが言いたいのは、ウクライナのナショナリズムを消したい、少なくともコントロールしたいということでしょう。でも、どうやって?

〇プーチン

私の話を聞いてください。あなたの質問は非常に微妙です。気を悪くしないでください。

ヒトラーが亡くなって80年も経つと言いますね。しかし、彼の模範は生き続けています。ユダヤ人を絶滅させたロシア人やポーランド人は生きています。そして、今のウクライナの大統領は、カナダの議会で彼に拍手を送り、スタンディングオベーションをしています。私たちはこのイデオロギーを完全に根絶やしにしたと言えるのでしょうか? 私たちが見ていることが今日起きていることだとすれば、それが私たちの理解する脱ナチス化です。この概念を維持し、この慣習を支持し、それを維持しようとする人々を排除しなければなりません。それが脱ナチ化です。それが私たちの意味するところです。


イスタンブールでの交渉で、奇妙に思われるかもしれませんが、私たちはすべて文書で合意しました。ネオナチズムをウクライナで育成しないこと、立法レベルで禁止することも含めて。カールソンさん、私たちはそのことで合意しました。これは交渉の過程でできることです。近代的な文明国家であるウクライナにとって、屈辱的なことは何もありません。ナチズムを推進することが許される国家がありますか?ないでしょう? そうです。



このネオナチ勢力に加担するゼレンスキー大統領に対して、次のように述べている。

〇プーチン

彼の父親は第二次世界大戦中、ファシストのナチスと戦いました。そのことを彼に話したことがあります。ヴォロディミール、何をやっているんだ、と。あなたの父親はファシズムと戦っていたのに、なぜあなたは今ウクライナのネオナチを支持しているのか?と。

彼は最前線の兵士でした。彼が何と答えたかは申し上げません。これは別の話題ですし、私がそうするのは間違っていると思います。しかし、選択の自由についてはなぜダメなのですか? 彼は、ウクライナを平和に導くというウクライナ国民の期待のもとに政権を握りました。彼はそう語っていました。そのおかげで彼は選挙で圧勝したのです。しかし、政権についたとき、彼は2つのことに気づいたと私は思います。

第一に、ネオナチやナショナリストとは衝突しないほうがいいということ。彼らは攻撃的で非常に活動的ですから。そして第二に、アメリカ主導の西側諸国は彼らを支援しており、ロシアと敵対する人々を常に支援しています。それは有益で安全だからです。だから彼は、ウクライナでの戦争を終わらせると国民に約束したにもかかわらず、関連する立場をとったのです。彼は有権者を欺いたのです。


 

 

《 紛争解決のためには 》

ロシアは門戸を開き、この紛争解決のための話し合いに応じるが、それを拒否してネオナチ勢力に協力しているのは、西側諸国、欧州諸国、米国である、と。


●タッカー

話し合いはあるのですか? ウクライナの紛争を解決するための話し合いがなぜ行われていないのですか?

〇プーチン

和平交渉は複雑なプロセスの中で、立場の調整という非常に高い段階に達しました。しかし、私たちがキエフから軍を撤退させた後、すでに申し上げたように、相手側はこれらの合意をすべて投げ捨て、ロシアと最後まで戦うよう西側諸国、欧州諸国、米国の指示に従いました。さらに、ウクライナの大統領はロシアとの交渉禁止を法制化しました。

ロシアと交渉することを禁じる法令に署名したのです。しかし、彼が自分自身やすべての人に禁じているのであれば、私たちはどうやって交渉するつもりなのでしょうか?私たちは、彼がこの和解についていくつかのアイデアを提示していることを知っていますが、何かに合意するためには対話が必要です。そうではありませんか?

●タッカー

でもウクライナの大統領と話すのではありません。アメリカの大統領と話すのです。ジョー・バイデンと最後に話したのはいつですか?

〇プーチン

いつ話したか覚えていません。調べてみましょう。

タッカー覚えてないんですか?(笑)

〇プーチン

覚えていません。タッカーさん、どうして?全部覚えなきゃいけないのですか?私には私の仕事があります。内政問題もありますし。

●タッカー

まあ、彼はあなたが戦っている戦争に資金を提供しているのですから、記憶に残るでしょうね。

〇プーチン

そうですね、資金提供はしていますが、もちろん特別軍事作戦の前に彼と話をしました。その時、私は彼に言いました。「ウクライナで起きていることすべてを支援し、ロシアを遠ざけることで、あなたは歴史に残るような大きな過ちを犯していると思う。ところで、ここでやめれば正しいと思う」と。

●タッカー

彼は何と?

〇プーチン

彼に聞いてください。あなたはアメリカの市民です。彼に聞いてください。私たちの会話についてコメントするのは適切ではありません。

●タッカー

でも、2022年の2月以前から彼と話していませんね。

〇プーチン

ええ、話していません。一定の接触は維持されていますが。そういえば。ミサイル防衛システムで協力しようという私の提案を覚えていますか?

●タッカー

はい。

〇プーチン

全員に聞いてください。全員無事です。よかった。前大統領コンドリーザは無事です。ゲーツ氏、現情報局長官、バーンズ氏、当時の駐ロシア大使、私の意見ですが、大使は非常に成功していると思います。彼らは皆、これらの会話の目撃者でした。彼らに聞いてください。こちらも同じです。バイデン大統領が私にどう答えたか興味があれば、彼に聞いてください。いずれにせよ、私は彼と話をしています。

●タッカー

確かに興味があります。しかし、外から見ていると、これは全世界を紛争に巻き込み、核発射を始めるような事態に発展しかねないように思えます。バイデンに電話して、解決しましょうと言ったらどうですか?

〇プーチン

何を解決するんですか? とても簡単なことです。繰り返しますが、私たちはさまざまな機関を通じて接触しています。この件に関して私たちが言っていること、アメリカの指導者に伝えていることをお話しします。本当に戦闘をやめたいのであれば、武器の供給をやめることです。数週間以内に終わるでしょう。それだけです。そうすれば、いくつかの条件について合意することができます。どっちが簡単なことでしょう? なぜ私が彼に電話するのですか? 何かを頼むのですか? 何のために?

●タッカー

どんなメッセージが返ってきますか?

〇プーチン

「あなたはウクライナにあんな武器を届けようとしたね。ああ、恐ろしい。やめてくれ」とでも話すんですか?

●タッカー

NATOはこれが世界規模の戦争や核紛争になることを心配していると思いますか?

〇プーチン

少なくとも彼らはそう話しています。想像上のロシアの脅威で自国民を威嚇しようとしているのです。これは明白な事実です。思慮深い人々、俗物ではなく、思慮深い人々、アナリスト、実際の政治に携わっている人々、賢い人々は、これがフェイクであることを完全に理解しています。ロシアの脅威を煽ろうとしているのです。

〇プーチン

これは挑発であり、安っぽい挑発です。なぜアメリカ兵がウクライナで戦わなければならないのか理解できません。彼らはアメリカからの傭兵です。ポーランドからの傭兵が最も多く、2番目がアメリカからの傭兵、3番目がグルジアからの傭兵です。

もし誰かが正規軍を送りたいという願望があるのなら、それは人類を非常に深刻な世界紛争の瀬戸際に立たせることになるでしょう。これは明らかなことです。米国に必要なのか? 何のために? 自国の領土から何千マイルも離れた場所に。もっと他にすることがあるのでは? 国境の問題。移民問題、国家債務問題。33兆ドル以上。他にすることがないのですか? だからウクライナで戦うべきです。

ロシアと交渉した方がいいのでは? 協定を結んでください。すでに今日の状況を理解し、ロシアが最後まで自国の利益のために戦うことを理解しています。そして、このことが実際に常識への回帰であることを理解し、我が国とその利益を尊重し、一定の解決策を探し始めるのです。その方がずっと賢明で合理的だと思います。


 

プーチン大統領は、アメリカの指導者がウクライナに資金と武器の供与をやめれば、すぐにこの紛争は終わると言う。ウクライナの脱ナチス化を進めるロシアに対抗するアメリカ・西欧諸国の政府は、ネオナチズムに加担していることを伝えている。

このプーチンの言葉に対して、放送局の主旨に合うかどうかは別にして、それに異議を唱えることも含めて、各メディアは伝えるべきなのです。

特にNHKは、ウクライナ政府の側からウクライナの人々の声を熱心に伝えているのだから、このようなモスクワ市民の声をも伝えるべきです。

 

 

 

 

ロシア市民がジャーナリズムとこの紛争についてどのように考えているのかについて伺える。NHK報道とは真逆の考えだからこそ伝えるべきなのですが、ネオナチズムの広報メディアNHKには無理な要求です。


ここにインタビュー内容の概略が簡単に述べられています。