タダイマ | ☆★チカ☆★の隠れ部屋〜小説〜

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うずくまっていた僕は
目覚めて 目を開けた時
目の前は 真っ白な壁だった

上も横も 真っ白

どうやら僕は 大きな卵の中いるみたいだ


さかのぼること 数日前
僕は 赤ちゃんに戻りたい と願った

何の罰か もしくは ご褒美なのか

今現在となっては とにかく ここから
出たい という 一心だけだ

僕は 都合がいいなぁ
軽く左唇をあげて 声にならない
笑いを浮かべた


パリッ パリッ
かすかに 大きな卵が
僕の目の前で 割れ始めた

無我夢中で その小さな穴を
こじあけようとしても
それ以上は ムリだった

「本当に あなたは それでいいのですか」

女神のような声が
大きな卵の てっぺんから聞こえた

僕は 声にならない声で
心の中で また うずくまって考えた



光を見たい!
とにかく 光を見たい


その瞬間 何秒か 何分か
どれだけの時間が過ぎたのか

パーン と 一気に 大きな卵が割れた

目の前には 眩しいほどの光
そして

大きな扉が ギギィィ と
ゆっくり ゆっくり 開いていった

僕は ゆっくりと その扉に歩いた
1歩 2歩
ゆっくり ゆっくり と


扉の向こう側は かなり眩しい


ちょっと迷ったが 僕は
扉の向こう側に行く事を 選んだ


足を1歩 おそるおそる踏み入れた

輝かしい 金色の世界






オカエリ タダイマ
ユウビナミヤコヘ









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