怖い夢を見た。
大声で泣いて、一緒に寝ている息子と女房が目覚めてしまうくらい。
タイトル:蝶
あらすじ
ウィルスの突然変異によるバイオハザード。
それに巻き込まれて感染した俺と娘。
娘が死んで泣いた。
ウィルス
未開の地での農薬散布が原因で、虫のウィルスが突然変異する。
蝶を宿主とするウィルスの一つで、蝶の絶滅により自分らが絶える事を防ぐために、他の生物のDNAを書き換えるという、突然変異を起こしたものである。
なぜか、人間だけに感染する。
感染した人間は、蛹になっていく。
羽化率は50%で、失敗すると死ぬ。
羽化すると、人の理性はなくなり、飛翔しウィルスを撒き散らす。
羽化した蝶の麟粉以外からは感染しないのが救いでもあるが、悲劇でもある。
私と娘の感染
娘が大きな蝶が飛んでいるのを発見し、私と二人でその後を追う。
至近距離まで近づき、捕獲しようとするが取り逃がす。
帰宅後、世界中で大きな蝶の目撃例が報告されるTVニュースを見る。
数日後、これは人間がウィルスに感染し、蝶になったものと発表される。
私と娘は、皮膚が硬くなる、色が変化するなどの兆候が現れていた。
患者狩り
政府は、羽化した蝶を捕獲し焼却しはじめる。
羽化した蝶は捕獲が難しく、病原体の根絶が難航する。
感染者が増えていく。
しかし、家族や親類はなかなか引き渡さずに隠蔽する。
出頭、隔離、ワクチン接種の法案可決
世界中の政府は、ワクチンの開発を急ぐ。
蛹化が始まった患者の出頭を求める法案が可決される。
出頭し、ワクチン開発に協力したものは、出頭順にワクチンが完成した暁には接種を受ける。
出頭しないものは強制連行され、ワクチン接種の順番は後回しになる。
私と娘の出頭
ワクチン完成には多くの被献体が必要になる。
出頭し、協力する者も増えてきて、完成は間近というニュースが流れる。
私と娘は出頭し隔離される。
整理番号はかなり若く、そこでワクチン完成間近の噂は、嘘だとわかる。
ワクチンの完成が近づく
我々を含む、出頭した者たちの献体協力により、ついにワクチン完成が間近になる。
しかし、私も娘も蛹化が著しく進んでいる。
特に娘は若いだけに、進行が早い。
防護服に身を包む看守も、娘を心配してくれて、我々を励ましてくれる。
「もうすぐ、ワクチンが完成するから」と。
娘が蛹になる。
ワクチンがほぼ完成してくる。
しかし、完全な蛹になった者を完治させるほどの効果はまだ無い。
そんな中、娘が完全に蛹になる。
羽化の日
娘がついに羽化する時が来た。
羽化した瞬間に射殺されてしまう。
羽化しなければ、死亡してしまう。
娘の羽化が始まる。
隔離室の窓越しに、女房と息子が泣いているのが見える。
看守が銃を構えている。
その時、看守の無線に連絡が入る。
「羽化後、人間に戻るウィルスが発見された。その子が羽化したらそのウィルスを感染させる」
看守が私に伝える。
「なんとか、羽化してほしい」
私は娘を胸に抱いて暖める。
羽化失敗
背中の皮が破れる、娘がついに羽化する。
しかし、羽化は失敗する。
全く動かなくなってしまった。
看守が、羽化の失敗と死亡を確認する。
「羽化に失敗です。たった今、死亡しました。」
看守のゴーグル越に涙が見える。
私は娘の死を確信した。
号泣
動かなくなった娘を抱きしめる。
羽化さえ成功すれば、人間に戻れる可能性もあったのに。。
私は声をあげて号泣した。
覚醒
「お父さん、どうしたの?」
息子の声が聞こえる。
目を開くと、女房と息子が私を覗き込んでいる。
目が醒めたのだ。
急いで娘を見ると、安らかに眠っていた。
安心して、大笑いした。
女房と息子も大笑いした。
「なんだぁ。寝言で泣いたんだぁ。」