今日も修繕工事が入るので、三面鏡の上に並べた貴女の写真に白いタオルを掛けた。


 管理会社の担当者には観られても構わないが、工事の方が気にしたら申し訳無い。


 仏壇のある部屋までは入らないから、仏壇はそのまま。貴女にそう言って出掛けた。


 部屋の中はあまり変えてないけど、貴女が居た頃とは確実に変わってると思う。


 変化の1つ1つに反応しても仕方無い。大切なのは、貴女を思い続ける事だと思う。



 明日は夏越しの祓え。何かしなければと思いながらも、何も出来ずに居る。

 貴女を祈ることだけは変わり無いが、貴女に何か出来たら良いなと思いを巡らせる。

 祈ることと、何か貴女の好きなものをお供えすることしか出来ないのが何か心残り…。

 穏やかな境内で、貴女を祈ることだけは変えずに続けなくてはいけないと思い直す。
 貴女は私を観ているのだろうけど、何もやり取り出来ないもどかしさをいつも覚える。

 恐らく節目や約束事は、生きてる人の心にこそ、大切なことなのかも知れないと思う。 

 貴女の好きなものを供えた時、いつだって、大好きな貴女の顔が観たいなと願う。

 どうか、今日も、貴女が優しく穏やかに居ます様に。
 どうか、今日も、貴女が大好きな笑顔で居ます様に。

 明日、明後日はお休み。今日も行ってくるよ。