帰り道で月を見上げた。そんな時間に月が出ている。お詣りの時には見つからない訳だ。


 帰宅の時間には通りは暗くなってる。あの頃を思い出し、自宅のベランダに手を振っていた。


 何処に出掛ける時でも、必ずベランダに手を振る。誰か見ていてもお構い無く、貴女の姿を探している。


 見間違いでも構わないから、貴女が手を振って居るのが見えないかな。いつもそう思っている。


 思っているけど、貴女の姿が見えた事など無い…、記憶にあるだけ。帰宅して、早々に寝についた。

   


 暗い内に、外に出ると霞む月を見つけた。貴女を思い、立ち止まって、手を合わせる。



 今夕は月蝕とのこと。それは良い事なのかな。帰宅後、部屋から眺められたら良いなと淡く願った。

 今朝もお詣りに。

 こうして、何事も無くお詣り出来ている事は、ありがたいと思う。そのことにお礼を申し上げる。


 アメブロを観ていたら、ある言葉が目に止まった。

 「死別は挫折でも失敗でもないから乗り越えることはできない」

 そうだなと思う。自分はただ、いきなり哀しくて重たい荷物を背負い込んだ様なものだと思っている。

 貴女に会える日まで…ね。
 あらためて、貴女を願い、祈って祝詞をあげた。

 明治神宮も祈りの時。




 貴女に届きます様に…。

 参道で、いつも貴女がそばに居て、笑顔で「大丈夫よ、」と言っているような気がしている。

 いつも、祈っているよ…。
 今日も、行ってくるよ…。