ガッツポーズ
それはアスリートが上手く行った瞬間に拳を握り締めるポーズ
と、広く認知されている
ただ、よく考えると
「ガッツ」という単語の意味は「成功」ではなく「気力」
「よっしゃあ!」時のポーズを示すこの言葉は、1974年にガッツ石松が大方の予想を覆し当時世界最強とされた王者をKOしてから、一気に世に広がったとされている
(最初に使われたのはボウリング界らしいのだが)
このポーズ自体はそれ以前よりあったに違いない、がそれを示す言葉は確かに文献を見る限り存在しないようだ

ガチャさんのこの記事とは直接関係なかったのですが、ガッツ石松の話で盛り上がりました
ガチャさん、ありがとうございます

ガッツ石松は日本のプロボクシングの歴史の中で異彩を放つ存在であることを記しておこう

①敗れてから立ち上がった数が圧倒的に多い
有名なプロ格闘技選手の戦績(勝率)は凄い
凄くなければ有名に成る以前に引退する、と思われる
世界チャンピオンが狙えるプロボクサーはデビュー以来連戦連勝が多い
そもそもプロの時点で凄く強いのであり
その環境に身を置けば勝ったり負けたりするボクサーが殆どで、その多くは永くは続かないだろう
つまり、世界でなくてもチャンピオンが狙えるボクサーは極々一部のスーパーエリートな訳だ
そして、その極々一部よりも更に極々一部のボクサーは勝ったり負けたりしながら世界の頂点にまで上りつめた
私の知識では1人しか思い当たらない

②戦った相手が圧倒的に凄い
PFP(全階級通じ最強)ランキング級の複数の強者と戦ったチャンピオンは実は意外と少ない
チャンピオンともなれば勝てるマッチメイキングをするからだ
デュラン、ゴンザレス、ヘスス、ムアンスリン
日本人世界チャンピオンとしては、井上登場以前では随一だと思う

ガッツ石松は負けてもへこたれなかった
リングネームのガッツは「へこたれない」意味なんだろうと思う
元来のガッツポーズは勝った時に拳を握る、というより
負けて肩を落として引き上げる時に、再び立ち上がることを密かに誓いつつ
人知れず拳を握る、ことなのかも知れない
相手に対するリベンジとは限らず
落胆から立ち上がり落胆から学ぶ
そのスイッチのポーズなのかも知れない
命名はされていない内なるガッツポーズ
それが数年後に世界に示すガッツポーズになるのかも知れない

もう1つ、忘れてならないのが
師匠エディ・タウンゼント
ラグビーのエディ・ジョーンズが知られるまでは
スポーツ界の師としての「エディさん」はタウンゼントだった
「本番を楽しもう」と教えてくれたと認識せている
この気持ちの持ち方は、私見だが高橋尚子から一気に広がったと思うが
高橋尚子のシドニー金から遡る30年前に示してくれていた


ガッツ石松の話を↓後半に


高橋尚子