ムーキー・ベッツは凄いヒットマンだ
最終回に大谷が先頭打者を四球で歩かせた直後のダブルプレイこそ、MLBとNPBの対決だった
初球の入りと山田と源田の守備位置が最高だった
それは涙ものの勝利だった(※)

【準決勝メキシコ戦】
佐々木は凄かった
スコアボードに表示された「100マイルのシンカー」って凄すぎる
ストレートが軒並み160km台、つまり平均160km超

吉田の3ランの打席は余りにも凄すぎた
3球目空振りより厳しいコース、バッテリーとしては完璧な攻め
あの球を三振にならずに凌いだとしても凄いこと
狙い打ちしたとしてもファウル
インフィールドに飛ばせたとしてもライン際
吉田は強烈なフルスイングが可能で、かつ極めて高度なコンタクト能力
凄すぎる打者だ

大谷を除けば、今まで
メジャーリーガーの150km超の強い球を打ち返し外野の頭を超せる打者は、正直殆ど居なかった
国際戦ではホームランは少なかったし、出ても変化球を打った場合が殆どだった
山川の犠牲フライも村上のサヨナラ打も強い速球を打ち返したもので素晴らしかった
村上のサヨナラ打は111マイルでメジャーに入ってもトップレベルの強打だ

【決勝USA戦】
村上の同点ホームラン
今大会の全ホームラン中で最も速い打球
つまり、USAやドミニカやプエルトリコのメジャーを代表する強打者達が放ったどのホームランより強烈だった訳であり
昨季MLBの全ホームランの中でベストテンに入る
つまり、ジャッジやスタントンやクルーズや大谷達の会心の当たりに負けない打球
確信歩きをしたのだが、数歩でアッバーデッキに着弾
走り始めたのはそれからだ

投手陣はみなMLBで活躍出来るレベル
小刻みな継投の必要条件として「立ち上がりが安定していること」が必須だが、この条件を満たしていて頼もしい

私見だが、この試合の勝因はズバリ
「立ち上がりの今永の配球」だと思う
ストレート中心にインコースにも多めに投げていたこと
準決勝で山本由伸を投入出来たのは今永に自信あったからに違いない

「特に優秀な投手は6人でその内4人は日本」との評価もあった
日本の4人は大谷、ダルビッシュ、佐々木、山本だが
今永はビッグ4に劣らない、少なくとも一巡で捉えられることはない、との読みだったと思う


(※)
ムーキー・ベッツ
大谷は初対決でスタンドに叩き込まれている
9回のセカンドゴロのダブルプレイは凄過ぎた
あの1球にNPBの凄さが凝縮されている
ベッツに対するMLBの球団の守備位置とは違っていたと思う
あの打球はセンター前に抜けても不思議なかった、一死しか取れなかった可能性はより高かった
高速スライダーにコンタクトされたものだが山田の守備位置が想像を絶する程に良かった
この試合で3遊間を突破された源田が3遊間を閉めてなかったことも驚きだ
チャンスでファーストストライクを打ちに来るベッツを1球で仕留めるためにスライダーから入った中村のリードも最高だ
ベッツは広角に打てる、外角を右に打つことも可能だ
「憧れを捨てよう」
リスペクトし過ぎていたら全体的に左寄り、かつ全体的に深かったかも知れない
スカウティングを信じていたら、あるいは1球ごとに守備位置変えていたら、12塁間を広げはしなかったはずだ
源田が3遊間を突破されたことを見てもチームとしてスカウティングに準拠していたとも思えない
ベッツに対し、大谷が高速スライダー投げるタイミングか否かはさておき、ベース寄りの浅めの守備位置
あれは普通はないように思える
あくまで私見だが、山田の勘だったのではないだろうか
山田は間違いなくダブルプレイを狙っていた
アドレナリン沸騰のベッツは大谷の逃げる球も引っ張りにかかる
勝負強いベッツと勝負強い山田の対決がそこにあった
ほんの数歩、ありがちな位置だったらダブルプレイは成立していない
山田があそこに居たことが戦慄
そして源田は3遊間には居なかった
憧れを捨て、その場のプロとしての勘を信じた
戦略として守備位置は決めているかも知れない
しかし、その場で本人の判断で数歩は動くだろう
あの場面での中村のサイン、そして山田と源田の数歩
涙もののNPBのプレイがそこにあった