Desert Moon 戻らない時間の中で 7 | 気まぐれ図書館

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 翌日。


 相変わらずのバザールの中で、オリヴェートは大荷物を抱え、リンの前に立っていた。


「帰るんだな、オリヴェ」

「うん、弟の側にいてあげなくちゃ」

「あぁ、そうしてやれ」


 頷いてみせるリンに、吹っ切れたような笑顔を見せるオリヴェート。どうやら、完全に立ち直ったらしい。


「リンこそ、ライトを大切にしなさいよ?」

「言われるまでもねェよ!」


 笑って返すリンに親指を突き立ててみせて、彼女は真っ直ぐに故郷に向かって歩き出す。その歩みに、もう、迷いなどなかった。


 振り返りもしないオリヴェートの背を見送って、リンは、青空を仰いだ。


「ごめんな。今日も、お前の好きな青空だ、ライト…」



 だが、その呟きは、バザールの喧噪の中に掻き消えていった。