さてさて、昨日の宣言通り、ちょこっとずつではありますが、オリジナルをこちらの方に載せていきたいと思います^^
多分、PCサイトをご存知の方は知ってるかもですが。
折角、カテゴリーに、「小説」で登録してるしね!
ではでは、前置きが長くなりましたが、以下、本文です。
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綺麗な空だな、と思った。本当に、抜けるような青空で。
怒声と悲鳴の喧噪の中で、ただ、漠然と願う。
まだ、この大すきな青空を見ていたい、と。
世界の中枢を担う大国、イシス。
かつての救世主の名前を得たこの国は、創造神、アトゥムの血族とされる、王帝によって治められていた。
そして、その王帝の元、王宮のある首都、エネアド、ひいては、国全体を守護する役目にあるのが宮廷魔導士である。
「見て、ライト様よ」
王宮を行く、宮廷魔導士の一団。その先頭に立つ金髪の少年に、侍女達は黄色い声を上げた。
「歴代最強と呼ばれた天才魔導士ですもの。あの若さで、トップクラスの魔導士なんて、憧れるわ」
「その上、容姿端麗、何でもそつなくこなす、どこをとっても完璧だわ」
そんな声も聞こえないふりをして、ライトは自隊を引き連れ、真っ直ぐ歩く。向かうは、王帝の待つ謁見の間。
「ライト=エヴァーラスト、只今戻りました」
「うむ、御苦労」
何のことはない、日常。
こうして、宮廷魔導士としての責務を果たし、王帝に報告しては、また新たな任務へと出かける。今日も、任務報告を済ませ、あとは家に帰るだけだ。
退屈だ、と感じたことはない。ただ、少し物足りない、とは思っているが。
――言っても仕方ないな。
胸中で独りごち、ライトは歩みを止めない。
家には、自分を待つ大切な家族がいる。そのためなら、こんな生活も苦ではない。
そう思っていると、
「よぉ、ライト。久し振りだな!」
不意に、呼びかける声。嫌な予感はしつつも、無視できず、彼はゆっくりと振り返った。
「……サイス王子」
「何だ、その堅っ苦しい呼び方は! 昔みたいに呼び捨てで良いぞ?」
さして気にした様子もなく、気さくに話しかけてくるサイスに、ライトは思わず嘆息した。
「いくらなんでも、昔とは違います。私は宮廷魔導士、貴方は王帝の後継者なのですよ?」
「だーかーらー、俺は、そういうのが嫌なんだよ! 幼馴染だろ~」
ああ言えば、こう言う。
こういうところは、少し、自分の弟に似ているかもしれない。いや、弟が、彼の悪影響を受けたのか。
そんなことを考えている間にも、サイスの一方的な言葉は続く。
「まぁ良い。とにかく、お前には俺の部屋に来てもらうぞ。次期王帝陛下の命令だ!」
「都合の良い時だけ…」
また1つため息をつくライトに、サイスは笑ってみせる。宮廷魔導士の主は、王帝陛下だけではない。
仕方ない、と諦めて、ライトはサイスに従った。