Desert Moon 荒野に死すとも 1 | 気まぐれ図書館

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気ままに綴っていきます。
主に、サイト更新関連かと。
社会人しながら、専門で小説の勉強中です^^

さてさて、昨日の宣言通り、ちょこっとずつではありますが、オリジナルをこちらの方に載せていきたいと思います^^

多分、PCサイトをご存知の方は知ってるかもですが。

折角、カテゴリーに、「小説」で登録してるしね!


ではでは、前置きが長くなりましたが、以下、本文です。



***

 綺麗な空だな、と思った。本当に、抜けるような青空で。

 怒声と悲鳴の喧噪の中で、ただ、漠然と願う。

 まだ、この大すきな青空を見ていたい、と。





 世界の中枢を担う大国、イシス。


 かつての救世主の名前を得たこの国は、創造神、アトゥムの血族とされる、王帝によって治められていた。

 そして、その王帝の元、王宮のある首都、エネアド、ひいては、国全体を守護する役目にあるのが宮廷魔導士である。


「見て、ライト様よ」


 王宮を行く、宮廷魔導士の一団。その先頭に立つ金髪の少年に、侍女達は黄色い声を上げた。


「歴代最強と呼ばれた天才魔導士ですもの。あの若さで、トップクラスの魔導士なんて、憧れるわ」

「その上、容姿端麗、何でもそつなくこなす、どこをとっても完璧だわ」


 そんな声も聞こえないふりをして、ライトは自隊を引き連れ、真っ直ぐ歩く。向かうは、王帝の待つ謁見の間。


「ライト=エヴァーラスト、只今戻りました」

「うむ、御苦労」


 何のことはない、日常。


 こうして、宮廷魔導士としての責務を果たし、王帝に報告しては、また新たな任務へと出かける。今日も、任務報告を済ませ、あとは家に帰るだけだ。

 退屈だ、と感じたことはない。ただ、少し物足りない、とは思っているが。


――言っても仕方ないな。


 胸中で独りごち、ライトは歩みを止めない。

 家には、自分を待つ大切な家族がいる。そのためなら、こんな生活も苦ではない。


 そう思っていると、


「よぉ、ライト。久し振りだな!」


 不意に、呼びかける声。嫌な予感はしつつも、無視できず、彼はゆっくりと振り返った。


「……サイス王子」

「何だ、その堅っ苦しい呼び方は! 昔みたいに呼び捨てで良いぞ?」


 さして気にした様子もなく、気さくに話しかけてくるサイスに、ライトは思わず嘆息した。


「いくらなんでも、昔とは違います。私は宮廷魔導士、貴方は王帝の後継者なのですよ?」

「だーかーらー、俺は、そういうのが嫌なんだよ! 幼馴染だろ~」


 ああ言えば、こう言う。


 こういうところは、少し、自分の弟に似ているかもしれない。いや、弟が、彼の悪影響を受けたのか。

 そんなことを考えている間にも、サイスの一方的な言葉は続く。


「まぁ良い。とにかく、お前には俺の部屋に来てもらうぞ。次期王帝陛下の命令だ!」

「都合の良い時だけ…」

 また1つため息をつくライトに、サイスは笑ってみせる。宮廷魔導士の主は、王帝陛下だけではない。

 仕方ない、と諦めて、ライトはサイスに従った。