ぽっかりとあいた心の穴から


おびえた小さな声がきこえる


弾力を失った心の片隅で


鋭くか細くいまにも消え入るようにささやく声


ああそうしていたんだね


わすれさられてもなお


魂のすすむみちを伝え続けていたんだね


心を閉ざしいつしか夢を忘れ


立ち止まったまま年かさねてきた


あのころ見失ったと思ったちいさな小さな宝物は


私の中にずっとあったのだと


ささやきつづけていたんだね


あのころも今もかわらずあるのだと


気づくその日を待ちわびていたんだね


小さな私の小さな宝物


小さくて、大きな、私の宝物


誰しも知らずに持っている、宝物にみえない宝物


それは魂のいろそのもの